電撃イラスト大賞

第15回 電撃大賞 入賞作品

大賞

ゲま (兵庫県)

想定電撃文庫作品 「シャープ・エッジ」

プロフィール

1975年兵庫県生まれ、昔から絵を描くのが好きで、途中長いブランクがあるものの何か絵の仕事に就きたいと思い、独学で漫画を勉強しマガジングランプリ佳作、新人賞選外佳作、佳作と受賞させて頂きましたが…… 話作りの才能がなく連載取れず… 新人止まりで終わってしまいました。その後、元々イラストレーターを目指していたというのもあり今回電撃さんに応募させて頂きました。

受賞者コメント

1次2次審査共に自分の名前が最後に書いてあったためなんか落ちてそう…… と勝手に思い込み来年のための絵を描いている最中にありえない御一報を頂きました。過大な評価を頂き本当にありがとうございました。最高のスタートラインに立つことが出来ました。頑張ります。シャープエッジは絵柄や色調、話的にもダークなところがとても気に入り自分なりに表現が出来そうだと思い描かせて頂きました。まだまだ未熟な絵ですけど……

選考委員選評

天野喜孝

この作品を大賞に選んだ理由としては、オリジナリティがあったということですね。文章媒体を絵にする、その行為は非常に危険なことであって、読み手次第でイメージが千差万別に存在し、ひとつの絵で表現するということはイメージというものを 『限定』 してしまう恐れがあると思います。そういった 『限定』 された原作を元にしたイラストを、原作に影響を受けずオリジナリティがあるものに仕上げ、尚且つその原作の文章をきちんと掌握していて、見るだけで世界観がわかるイラストが描けている、ということが大賞へと選んだ大きな要因ですね。特に素晴らしいと思ったのが、形と線を見て、髪の毛のひとつにしてもデザイン全体を把握しているように描けている所ですね。それはモノクロ、カラー問わずに全体的にできていますが、モノクロの方がよりそれがうまく表現できています。その個性を自分の中に取り込めていてしっかりと固められていることも大賞に選んだ理由です。

出渕裕

メリハリがあると感じました。モノクロは、ベタを多用していながらもメリハリを付け、レイアウトや背景も逃げていない。小道具など、背景の中に入っている情報の部分が作品の世界観を引き出せている。1枚のイラストの中に、小説の世界観が表現できているところが高ポイントでした。ですが、最近は個性的な絵を描くイラストレーターも多く、ありがちな絵、という印象も受けました。しかしデザイン的には個性が溢れているので、より違った個性を捻出し、プロの世界で埋没してしまわないように自分なりのアプローチを見つけられれば、もっともっと伸びていける方だと思いました。残念だったのは、カラーのイラストが2枚とも似たような色合いになっていることですが、それを差し引いても評価に値する作品です。

衣谷遊

色遣いが特にいいですね。僕はぱっと見た瞬間に 「これが大賞にふさわしい」 という印象を受けました。デフォルメが非常にうまく、デッサン力もあり、カラーの色合いもバランスが取れていていいですしね。モノクロのイラストも白と黒のバランスがよく、見ていて気持ちがいいです。つまりは完成度が非常に高いということです。これといって欠点が見つけられない、というのが正直なところですね。原作とのイラストとは印象がだいぶ違いますが、それはオリジナリティが確立していることなので、プロとして見ての評価も高く付けられる方だと思います。

緒方剛志

線がぴょんぴょんしていて、がちがちと硬そうでもあり、ふにゃふにゃと柔らかそうでもあり、見ていて気持ちよくて楽しかったです。カラーイラストも、抜く場所は抜いてうまくデフォルメされていますね。建物なども形をしっかりと捉えることも忘れておらず、きちんとデザインのバランスを捉えることのできる方なんだと思いました。とにかく見ていて楽しかったです。この個性を伸ばしていけばかならずいいイラストレーターになれると思います。これからもお互い頑張りましょう!

鈴木一智(第2編集部 部長・統括編集長)

最近のイラストの流れを押さえながら、電撃文庫想定作品も原作に引っ張られておらず、独特の線やデフォルメのセンスなど絶妙に個性を発揮しているところにこの方の実力を感じました。カラーイラストは若干色味が地味な印象もありますが、モノクロのメリハリが素晴らしい。クオリティとオリジナリティを兼ね備えた今回のイラスト大賞を象徴する作品と言えるでしょう。