電撃イラスト大賞

第15回 電撃大賞 入賞作品

選考委員奨励賞

春日歩 (埼玉県)

想定電撃文庫作品 「灼眼のシャナ」

受賞後作品

電撃文庫

ご主人様は山猫姫 辺境見習い英雄編

やんちゃな姫と落ちこぼれの英雄の物語!

著者  : 鷹見一幸
イラスト: 春日歩
定価  : 662円(税込)
発売日 : 2009年4月10日
備考  : A6判/360ページ
ISBN: 978-4-04-867770-7

プロフィール

専門学校を中退後、フリーターを続けてたものの、絵の仕事に就きたくて独学で描き始める。が、限界を感じ、イラスト系専門学校に入学。来年卒業にも拘らず、未だに就職も決まっておらず、今回の受賞が良いきっかけになればな、とは思う…。今後どの様な結果になろうと、絵を描くことだけはやめない、やめられないと決めている。技術的に見てもまだまだと自覚してますが、成長の余地はある様に思えてきました。ネコが好き。

受賞者コメント

画面全体に動き、流れを付けること、大胆に黒や影を使おうと心がけて取り組みました。カラーイラストに関しては、本の表紙にされた時の事も考慮した構成にしたつもりです。題材に 『灼眼のシャナ』 を選ばせてもらったのは、戦う女の子が描きたかったからなのですが、当初とは違った感じになってしまいました。が、結果的に満足のいく形になって良かったと思います。オリジナルに関しまして、丁度作品を描いていた時期に飼っていた愛猫を亡くしてしまい、絵の中には必ず猫を入れようと決めました。そんな作品が受賞できた事に色々な意味で感謝感激せずにはいられません。

選考委員選評

天野喜孝

この作品は雰囲気が魚眼レンズで見ているような、包まれる感じになってますよね。どのイラストもすごく立体的です。それは個性になっているので、今後もどんどんこういうタッチのイラストを描いて欲しいですね。体のバランスが全然とれていないのに 『変』 という印象を与えない、寧ろ、面白さを感じさせられてしまいます。このセンスは持って生まれたものだと思います。

出渕裕

オリジナル課題のカラーイラストの中に色々と仕掛けがあって面白かったですね。自分で絵を描いているような描き方や後ろの男の子が持っているテレビに正面の女の子が映っていたりするなどの二重構造や、ペンから零れたインクと女の子と顔についている血がリンクしていたり、隠喩的な構図は良かったです。モノクロに関しては背景を逃げている傾向が感じられました、ですが、モノクロの中にアンバー調のモノトーンやクールグレー系のモノトーンなどを使うことでモノクロなのに 「色味」 を感じさせるアプローチは好きですね。

衣谷遊

こちらの作品にはモノクロに魅力を感じました。影や髪の毛の処理などベタの入り方が面白いです。切り絵のようにも感じられるこの作風は、非常に好印象でしたね。全体的にキャラクターも生き生きとしているように感じられます。ただ、モノクロであるのに、茶色などを入れてしまうのは反則気味に感じられてしまいましたから、その点はマイナスに働いてしまいましたね。

緒方剛志

モノクロは勢いがあって格好良かったですね。白と黒のバランスもビシっと整っていて気持ちがいい。全作品と比べてみても、一際カラフルで目を引きました。彩色技術は甘さがあるものの勢いはあって良いと思います。 『シャナ』 のイラストに関しても、もう少し、全体を下にさげて、シャナ以外のキャラクターを中途半端にスパッと切らない方が構図としてはよかったと思いますが、女の子の可愛らしさなどはあり、魅力のあるキャラクターは描けていると思います。路線としてはオリジナリティのある自分の路線には乗れていますので、これからどんどんこの路線で腕を磨いていけば良いと思いました。これからもお互い頑張りましょう!

鈴木一智(第2編集部 部長・統括編集長)

躊躇のない筆致や勢いのある絵柄が気持ち良い。この方はモチーフを決めたらそこに真っ直ぐ進むことができるスキルを持っているように思います。一方で細かい仕掛けも施されており、キャラもステロタイプながら魅力的に描かれています。モノクロのグレースケールは賛否ありましたが、個人的には今どきの感性を感じました。背景が描かれていないなど画力的に未知数の部分はあるものの、将来性を感じさせる方だと思います。