電撃コミック大賞

第21回 電撃大賞 入選作品

金賞

「裏世界コミュニケーション」

春場ねぎ(埼玉県)

プロフィール

埼玉に引っ越してきて2年。売れっ子になることで徐々に住居をゴールの東京に近づけるすごろく計画を実行中。売れなければ愛知の田舎のふりだしへ。2014年の夏にようやく2回目の引っ越しをして東京に100メートル近づきました。

受賞者コメント

電撃文庫に挟んである冊子でよく見ていた賞で、自分が受賞できたことを光栄に思います。この作品は最後まで描き切れずに1年間眠っていた話を何度も修正をすることで完成した作品です。一度は形にするのを諦めていたキャラクターたちということで、自分自身も楽しみながら描くことができました。この結果に満足せずにこれから描く作品への糧とします。

選考委員選評

高河ゆん(漫画家)

画力、構成、キャラクター、申し分なし。粗がない訳でもないですが、そんなものは描いているうちに研磨されるでしょう。もう世界に出ていくべきタイミングです。早く連載やって雑誌に貢献して、読者を楽しませてあげてください! 大ゴマの使い方が上手く、印象に残るシーンになっているのは、やはり確かな画力のおかげです。お話や演出はもちろん大事ですが、絵が描けていなければマンガとしての爽快感は得られません。そこは投稿者全員に頑張って欲しい点です。

綱島志朗(漫画家)

この年齢でこの作画力、それにまず驚かされました。ストーリーも面白く、連載第1話として、一番続きが読みたくなった作品です。しいて挙げるとすると主人公の能力がなんとなく途中で感じ取れちゃったので、それを吹っ飛ばすくらいのアクションをラストに見たかったです。

大河内一楼(アニメーション脚本家)

冒頭から、テンプレートをうまく裏切る展開で引き込まれました。絵は上手だし、話運びも無駄がなくスムーズ。出てくるキャラクターもそれぞれ立っているし、主人公の感情の流れも素直。気持ちよく読み終われました。ラストで彼女の正体に触れるのも、ヒキが強くてよかったです(もちろん、これがなくても、きちんと短編として成立しています)。個人的には何も言うことがありません。一読者として、この続きが早く読んでみたいです。

吉積 信(株式会社バンダイナムコゲームス『テイルズ オブ』シリーズ統括プロデューサー)

画力・構成力、テンポの良さ、セリフのキレなど、どれをとってもすでにプロ級の出来と言ってもいいと思います。この作品、審査員全員が「続きが見たい!」と強く思った圧巻のクオリティでした。個人的に敢えて注文を付けさせてもらうとしたら、主人公・楽、憂土、家入さんの個々の表現がもっとチャーミングに描けるんじゃないかと思いました。決して足りてないわけではなく、もっと出来そうだという期待です。あと、タイトルはちょっとダサくていただけませんね(笑)。

鈴木一智(アスキー・メディアワークス副BC長、第2編集局統括編集長)

とにかく絵柄が素晴しい。白と黒のコントラストがスタイリッシュでグレースケールに逃げていない制作姿勢にも好感が持てます(全く個人的な印象ですが石ノ森先生のそれに近いものを感じました)。ストーリー構成やコマ割りの技術も高く、全体として大賞レベルの完成度ではありましたが、今後の伸び代を期待する意味で金賞とさせていただきました。

梅澤 淳(第1編集局担当局長)

演出(コマ割・レイアウト)が的確でとにかく読みやすい。またキャラクターデザインを含めたビジュアルにも説得力があり、架空の話を違和感なく読ませてくれる。欲を言うと主人公の平凡な日常への憧れ描写がもう少し欲しかったが、しっかりとカタルシスのある展開で小気味良かった。