電撃イラスト大賞

第22回 電撃大賞 入選作品

金賞

雛川まつり(兵庫県)
※応募時「ひかわ」より改名

プロフィール

兵庫県の淡路島在住。夜は21時も過ぎると辺りは真っ暗になる、とても静かな田舎です。窓からは山と海、夜空は特に綺麗に見えます。こんな地元でのんびりと暮らしております。幼い頃から絵を描くことが何より好きで、趣味としてずっと続けてきました。

受賞者コメント

この度はこのような栄誉ある賞をいただきまして、ありがとうございました。誠に光栄に思っております。受賞連絡を受けた時は本当に驚き、頭に疑問符を浮かべたまま電話を切りました。想定作品に選んだのは、中学時代から好きだった『キノの旅』です。本棚から引っ張り出して一気に描き上げました。見た目にも描き心地にも柔らかい鉛筆線に魅力を感じますので、今回の作品も線画は全てシャーペンです。1枚のイラストの中に物語を感じ取って貰えるような、見た人の目を1秒でも長く留めておけるような作品作りを目標に、これからも描いていきたいと思っております。

選考委員選評

天野喜孝 (画家、イラストレーター)

カラーもモノクロも、キャラクターが活き活きと描かれた動きを感じさせるイラストになっていて、まるで漫画の1コマを見ているようでした。カラーの色みも今風で、とくにオリジナル作品は背景の白が効いており、ポンと浮き上がってくるようなとても軽やかな印象があります。ごてごてと色を重ねすぎない潔よい着色も、まさにクール・ジャパンという表現がぴったりのセンスの良さを感じました。存在感があって目立っていました。

出渕 裕
(デザイナー、イラストレーター、アニメーション監督)

キャラクターに対する愛情が感じられ、楽しんで描かれているのが作品の躍動感につながっていたのが評価のポイントでした。とくにオリジナル作品は、いろいろな物を散りばめながら、複数のキャラをうまく連動させた一枚になっていると思います。キャラの性格や関係性までが伝わってきて、見る人にも楽しい気持ちを与えられるというポジティブな才能を高く評価しました。

衣谷 遊 (漫画家)

カラーのオリジナル作品は躍動感があって楽しく、反対に課題作品では静けさを描かれていて、正反対の印象の絵をどちらも上手く描ける方だと思いました。モノクロ作品も動きのあるキャラたちが軽妙なタッチで描かれ楽しい感じが伝わってきますし、課題作品ではきちんと背景が描き込まれていて引き出しの多さと技術の高さを感じました。80年代的な絵がトレンドになりつつある今、時代の最先端をいく作品と言えますね。

緒方剛志 (イラストレーター)

全体的に、躍動感のあるキャラクターがたくさん描かれた楽しくて可愛い作品でした。この数のキャラクターを等しい大きさで描くのは何気に難しいことなのですが、とても上手に描けていますね。モノクロ作品については濃淡の出し方も綺麗なのですが、課題作品については柔らかい印象に逃げ過ぎている気もし、もう少しはっきりした背景を見たかったです。また、キノであればバイクなどメカを描くといった発想があってもよかったかなと思います。

いとうのいぢ (イラストレーター、ゲーム原画家)

オリジナル作品を見ても、流れるような絵を作られるのがとても上手な方だと思いました。また、あえてかっちり描き込むことをせず、いい意味でラフさがあるところがイラストならではの表現だと感じますね。こういった作風が私も好きで注目しているのですが、アニメでは今のトレンドになってきていると思います。今後はイラストの世界でもメジャーになっていく予感がして、とても楽しみです。

和田 敦(文庫プロデュース課編集長、電撃文庫編集長代理)

オリジナルのカラー作品は構図もよく、またそれぞれのキャラクターもうまく表現できていたのではないでしょうか。課題作は元々のキノっぽさがあって個性という面では勿体なくも思えたのですが、『キノの旅』という世界観をしっかりと演出できていました。あえてキノを後ろ向きにして見せたのも面白いですし、モノクロの方も不思議な魅力を醸し出していました。カラー作品は背景部分がもう少し見たいところでしたので、そこだけはマイナスだったかもしれません。