電撃イラスト大賞

第23回 電撃大賞 入選作品

銀賞

あさくらきいち(三重県)

プロフィール

1991年、三重県生まれ。イラストレーター。探偵小説、ゴシックホラー等の翻訳本を愛読していて、作家のみならず好きな翻訳家がいる。趣味はアクションゲーム。海や荒野、泥臭い男のロマンに白熱する傍ら百合に夢中だったりと、好きなジャンルは多岐にわたる。生活は猫中心。

受賞者コメント

数年前の深夜、とある用事で徹夜していました。当時は絵を描く時間がなかなか取れず悶々としていたのですが、その夜はついに白紙に飛びついてしまいました。描き上げた後は非常に晴々とした気分になり、用事も終え、大の字でぐっすり寝たのを覚えています。描くこと自体が栄養補給のように感じられる不思議な体験でした。実はその日の絵が応募作の中にあります。確かに思い入れのある絵でしたが、まさかこんなに素晴らしい思い出が付与されるとは想像もせず、本当に驚きました。この度の受賞に深く感謝いたします。『上出来』は存在しないものとし、いつまでも精進してゆく所存です。

選考委員選評

天野喜孝(画家、イラストレーター)

かっこよくてセンスを感じる作品です。カラーのオリジナル作品はなかなか描かれそうもない世界観が印象的。描き込みが丁寧で、キャラクターで押していない点も面白いです。色々なものが描ける方だと感じましたし、絵が好きだということも伝わってきました。モノクロの剣を持った女の子のイラストは大胆さや、ストーリー性が感じられて良いですね。表紙になったら目立つと思います。

出渕 裕(デザイナー、イラストレーター、アニメーション監督)

全体的にキャラクター性を押し出している絵が多いのですが、カラーのオリジナルイラストはこの方の個性が見え、可能性を感じました。キャラクターの目線がなかったり気になる所はあるものの、デザイン的なイラストがきっちりできる方だと感じ、感心しました。モノクロイラストはメリハリがしっかりしていて力強く、空間も気持ち良く残していてシンプルです。余白も上手く使い、目線を誘導していて高評価。カラーの課題作にはモノクロのメリハリがそのまま良い方向に活かされており、個性が出ていて好感を持ちました。

衣谷 遊(漫画家)

カラーイラストの線のタッチがすごく良いです。やや粗めで力強いタッチが全面に出ていて、特にオリジナルは描きこみがすごいのにまとまっていてとても綺麗です。モノクロイラストはアングルが凝っていて、動きもあり、コントラストも良いと思います。中でもキャラクターに魅力があると感じたのは、女の子が刀を持っているモノクロオリジナル作品です。強いて言うなら、表情を少し見せても良かったと思いました。

緒方剛志(イラストレーター)

オリジナルのカラーイラストが良いなと思いました。描き込み、雰囲気、素晴らしいと思います。ただ他の作品は少々粗さが目立ってしまっている印象を受けます。時間配分を考えて取り組み、作品ごとの塗り方やクオリティのバランスを考えて今後も頑張ってほしいです。課題作は元を書いた人間的には正直ちょっと嬉しいのですが、原作のファンアートになってしまっているので、デザインから自分自身のオリジナルにチャレンジしてみてほしいです。

いとうのいぢ(イラストレーター、ゲーム原画家)

カラーのオリジナルイラストやキャラクターが良く、個人的に一番好きな作品です。勢いの良さや力強さも感じました。ただ足の描き方が崩れてしまっている部分があったりと気になる点もあるので、体のパーツなど実物を見て描くともっと良くなると思います。勢いやパワフルさなど、もともとの持ち味を活かしつつ、勢い良く描く部分と細かい部分とのバランスを探っていけば、さらにレベルが高くなるはずです。

湯浅隆明(電撃文庫編集長代理、電撃文庫MAGAZINE副編集長)

いずれもメリハリがきいた構図と塗りでデザイン的なセンスを感じるイラストでした。キャラクターもシンプルな造形ながら、バランスがとれていて魅力があります。この方向性でぜひ今後も突き進んでいただきたいですが、その反面、シーンを切り取ったような挿絵的なイラストや、もっとキャラクターに寄ったイラストなど、いろいろなモチーフに挑戦して欲しいと思います。