電撃コミック大賞

第24回 電撃大賞 入選作品

金賞

「不完全で不衛生でふしだら」

すのはら風香(神奈川県)

プロフィール

湘南のボーイミーツガールハンター兼SE。中高時代に女の園で少女漫画を読み漁った結果、何故か心に思春期男子が棲みついています。最近はJK×リュック×短めの靴下が好き。趣味は旅行に見せかけた聖地巡礼です。

受賞者コメント

この度は私の性癖プレゼンに金賞という素晴らしい賞をいただけたこと、誠に感謝いたします。初めて漫画を描いたのは確か小4の頃、友達と落書き帳で雑誌を作った時でした。その後は思春期を拗らせつつ、社会人になったある日の真夜中、突如「歯並びの悪いマスク男子と歯列フェチギャルのすけべな話が見たい」と思い立ってから約1年半。随分と遠い所まで来てしまいましたが、この嬉しさと評価を胸に、今後も精進していく所存です。

選考委員選評

高河ゆん(漫画家)

応募作の中では一番個性を放っていた作品でした。ヒロインが主人公の「歯」に性的な魅力を感じるという設定には作者の強いこだわりが感じられ、その分、読者の好き嫌いもわかれる作品だと感じます。しかし、その個性の強さが金賞につながりました。持ち前の個性を活かし、今後も作品作りを楽しんで描いていってください。

綱島志朗(漫画家)

今回応募された中で、一番異彩を放っていたと思います。「歯」をテーマにエロスを加え、こういうものも描けるのかと、素直に歓心してしまいました。歯ってしっかり描くと絵が怖くなったりするんですが。それでもキャラはかわいいし、仮に歯だけで連載となったらちょっと難しいと思いますが……。毎回みんなが「えっ?」と思わせる着眼点、足の爪や背中の毛など、そういった方向でヒロインが増えていくのも全然アリだと思いました。今後もっと変わったフェチモノに期待します。

大河内一楼(アニメーション脚本家)

好き嫌いの分かれる作品かもしれませんが、この着眼点と面白さは、この作者にしか描けないものだと思いました。今回まとまりのよい作品が多かっただけに、この個性は高い評価を得て、金賞に繋がりました。登場人物が基本二人しかいないのも好印象です。この二人を描くには、何が必要で何が不要かをきちんと理解している。だから、読みやすいし、このページ数でこの二人が過不足なく描けている。こういうバランス感覚って一つの才能だと思います。これからも臆せず、あなたにしか描けない個性的な漫画を期待しています。

芝村裕吏(ゲームデザイナー、小説家)

変態感あって、大変面白かったです。人とは違う性癖を絵で分からせるのはマンガならではの力だし、とても面白いと感じました。一方で大勢のお客さんに受けるのかなあとも思ったんですが、面白いのは面白かったんでしょうがない。このマンガに金賞をあげられた電撃大賞は、ちょっとすごいと思っています。自画自賛ではなく。世間の荒波というか、読者の感想と向き合ってどう作風が変わってしまうのか、少し心配しつつも、素直に褒めたいと思います。おめでとう。あなたが金賞取れてうれしい。

梅澤 淳(株式会社KADOKAWA アスキー・メディアワークス事業局 第3編集部担当部長)

今回一番オリジナル性を感じさせてくれた作品でした。「歯フェチ」という独特な発想が面白く、かつそのフェチシズムに説得力も持たせるような展開が見事。微エロスな雰囲気の台詞まわしも巧く、登場人物や場面も限られたミニマムな展開にも関わらず、グイグイと引き込まれました。