コミック原作作品 参考用原稿

ここでは電撃コミック大賞で募集中の「コミック原作作品」の投稿作品の向上のために、 現在電撃のコミック誌でプロとして活躍している漫画原作者の貴重な原稿を参考用として掲載いたします。
これから投稿する作品向上に役立つ要素がたくさん詰まっているのでぜひ一読してください。

  • 第3回月刊コミック電撃大王連載中『現代魔女の就職事情』第7話原作:相沢沙呼×作画:はま
  • 第2回月刊シルフ連載中『この恋に未来はない』第1話原作:粉子すわる×作画:森橋ビンゴ
  • 第1回読み切り版『ミサイルとプランクトン』原作:田中ロミオ×作画:筒井大志

第3回
月刊コミック電撃大王連載中『現代魔女の就職事情』第7話
原作:相沢沙呼×作画:はま

禰子「やるわ!」眼を輝かせると、ぐっと拳を握り締める。「そのお困り事、魔女の玉城禰子にお任せあれよっ!」

○小学校

 小学校の門前に立つ一人と一匹。

ベリアル 「恐らく、結奈の悩みの種は小学校にあるに違いない。それを探るには、教室で過ごす結奈の様子を観察する必要がある」

禰子 「とはいえ……。門、閉まってるわよ」

ベリアル 「当然じゃな。近頃は不審者も多いゆえ、正面から入れば見咎められてしまうであろう」

禰子 「どうすんのよ」

ベリアル 「なんじゃ? 魔女なのだから、鴉に変化して空から探れば良かろう」

 ベリアル、こともなげに言う。

禰子 「なるほど――って、そんなことできるかっ!」

ベリアル 「なんと、嘆かわしや……。現代の魔女はそこまで落ちぶれてしもうたか」

 はぁ、と溜息を付く犬。

ベリアル 「仕方あるまい。我がその術を伝授してやろう」

禰子 「え、ほんとに?」

 禰子、ラッキー、という表情。

ベリアル 「その代わり、先日の黒髪ロングJKの名前と住所を教えてくれ。等価交換というやつじゃ」

 ぐへへ、という表情の犬。
 禰子、それならいいか、と教えそうになるが、

禰子 「……って、いやいや、あんたの依頼を成し遂げるために必要なことでしょうよっ!」

ベリアル 「ちっ」

 舌打ちする犬。

ベリアル 「まぁよかろう。耳をかっぽじってよく聞くがよい。呪文を間違えるでないぞ……」

 ベリアルからレクチャーを受ける禰子。

ベリアル 「理解したか?」

禰子 「ええと……。ほ、ほんとにこの呪文でいいわけ?」

ベリアル 「振り付けも忘れるでないぞ」

禰子 「ううーん……」

 禰子、ちょっと躊躇いながらこほんと咳払いをする。

禰子 「で、では……」

 適当に拾った木の枝を片手に、ステッキのように振りながら、呪文を唱える禰子。
 ちょっと恥ずかしそうに。

禰子 「モキュランモキュラン☆ マジョカル・パワーで、カラスにな~れ☆」

 キラキラーン、と煌めきの粒子を纏う禰子。魔法少女っぽい演出で。

禰子 「って……。なにも変わらな――」

 見上げると、巨大なダックスフンドがこちらを見下ろしている。

禰子 「うわっ!」

 禰子、驚愕する。どうやら、自分の身体が縮まってしまった様子。
 その禰子を見下ろして、ベリアル、なにやら戸惑った様子。

禰子 「な、なんであたしの身体が小さくなってるのよっ!」

ベリアル 「う、うーむ……。おかしいのう。どこを間違ったのか……。もしや、アニメの魔法少女風に呪文をアレンジしたのが悪かったか……」

禰子 「あ、あんたね……」

 巨大なベリアルを見上げつつ、拳を握ってふるふる震える禰子。

ベリアル 「だ、だが、これはこれで好都合ではないか。小さければ、侵入は容易い」

禰子 「まぁ、そうかもしれない、けれど……」

ベリアル 「我の背中に乗るが良い。丁度、我の身体なら通れるフェンスの抜け穴があるのじゃ。後者までレッツゴーよ」

 ベリアルの背に乗っかる禰子。てこてこと走り出す犬。

禰子 「おお、これはこれで爽快かも!」

 禰子、新鮮な体験にちょっと嬉しそう。

○小学校の校舎

 禰子たち、昇降口から校舎に侵入する。
 てこてこ階段を昇るベリアル。その頭に乗っかる禰子。