出身イラストレーターインタビュー

ここでは、電撃イラスト大賞を受賞し、文庫のイラストを担当するようになったイラストレーターさんに突撃インタビューを行います! あの文庫を担当したイラストレーターさんがどのようにして受賞し、デビューしたのか? 貴重な経験を聞いて、プロイラストレーターへの第一歩につなげよう!

  • 第30回 いぬまち
  • 第29回 藤実なんな
  • 第28回 麦春あやみ
  • 第27回 フライ
  • 第26回 竜徹
  • 第25回 どぶねずみ
  • 第24回 西ノ田
  • 第23回 keepout
  • 第22回 久杉トク
  • 第21回 U35
  • 第20回 岡谷
  • 第19回 Minoru
  • 第18回 赤岸K
  • 第17回 足立 巡
  • 第16回 一色 箱
  • 第15回 新堂みやび
  • 第14回 梨々子
  • 第13回 田上俊介
  • 第12回 zpolice
  • 第11回 霜月えいと
  • 第10回 三村勇貴
  • 第9回 古夏からす
  • 第8回 富岡二郎
  • 第7回 七葉なば
  • 第6回 黒銀
  • 第5回 桶谷 完
  • 第4回 村松加奈子
  • 第3回 真早
  • 第2回 椎名 優
  • 第1回 川原 礫

第7回 七葉なば

プロフィール

第16回電撃イラスト大賞<銀賞>を受賞。『空の彼方』シリーズ(著/菱田愛日、メディアワークス文庫)、メディアワークス文庫挟み込みチラシ「HeadLine」表紙を担当。直近では『世界の終わり、素晴らしき日々より』(著/一二三スイ、電撃文庫)が絶賛発売中!

世界の終わり、素晴らしき日々より
質問
絵を描き始められたのはいつ頃からなのでしょうか?
回答
忘れもしない大学1年のクリスマス前です。
好きだった女性にフラれて、彼女へのプレゼントを買う為に貯めていた貯金でペンタブを買いました。クリスマスには「俺絵ぇ描かないといけないから忙しいわー。マジ忙しいわー。」と手を動かしていました。
そんな逃避が転がり転がって今があるので、人生というのは全く不思議なものです。
質問
受賞するまでの投稿歴を教えてください。
回答
受賞1年前の電撃イラスト大賞にも応募しました。
残念ながら2次で落ちてしまいましたが、あの時頂いた選評は今でも大切に取ってあります。誰かに見せる為の絵というものを描いたことが無かったので、初めての客観的評価に酷く打ちのめされた記憶があります。
質問
受賞作の課題文庫に『猫の地球儀』を選ばれた理由は?
回答
初めて読んだライトノベルであり、「夢」とか「ロマン」とか「不可能への挑戦」とか、いろいろなものを教えてもらった小説だからです。今でも年に数回読みなおしています。
この小説の影響も少なからずあって大学はロボット工学の道に進み、社会人になった今でもロボットを作っていることを考えると、人生というのは(略)
質問
電撃イラスト大賞に応募しようと思ったきっかけ、理由を教えてください。
回答
何か面白そうなことが起こりそうな気がしたからです。
応募すること自体が、何かライトノベルの主人公になれるような魅力がありました。
結果としては当たらずとも遠からずで、いろいろ面白いことが起きていますが、未だヒロインが現れないところを見ると物語もまだ序章なのでしょう。
質問
受賞作を書く際に心がけていたこと、工夫したこと、苦労したことを教えてください。
回答
時間が無かったというのが一番苦労しました。
応募〆切直前2週間は自動車免許合宿を入れていて、合宿寮にノートPCとペンタブと持ち込んで描いていました。相部屋のヤンキーに絡まれて恥ずかしい思いをしたり、でも、夜はそいつと満天の星空を眺めて宇宙の不思議について語らい、何だコイツいいやつじゃん、と……何の話でしたっけ?
質問
応募した後、各選考段階の発表などはチェックしていましたか? 結果を待っている間はどんなお気持ちでしたか?
回答
選考結果は『電撃の缶詰』でちゃんとチェックしていました。でも、自分の誕生日なんかと同じで、一ヶ月前「あと一ヶ月じゃんワクワク」、一週間前「うおー、もうすぐだ!ドキドキ」、当日「……」、三日後「あっ」みたいな感じでした。
ヘタレの脳ミソは無意識レベルで現実から目を逸らしてしまうようです。
質問
受賞の決め手は何だったと思いますか?
回答
運が良かったからだと今でも思っています。
私はあまり他人の絵の良し悪しを評価することが苦手なのですが、良い絵なんてものは結局のところ見る人の好みの問題だからです。
受賞を逃した方で私よりもよっぽど良い絵を描く方もいっぱいいますし、
そういった方は受賞せずとも電撃文庫さんからお仕事のオファーがあるので、
「受賞作になるのはこんな絵だ」みたいなことに捕らわれず、
自分が良いと思える絵を描けば、いいと思います。
質問
文庫のお仕事が来たのはいつごろですか? どのような経緯でオファーが来たのでしょうか。またその時の気持ちはいかがでしたか?
回答
お仕事の電話を頂いたのは授賞式のあと11月くらいです。
同じ電撃大賞受賞者である菱田愛日さんの『空の彼方』の絵の依頼を頂きました。
授賞式で会った菱田さんはバリバリ強い女性なイメージがあったので、おいおいマジかよ何故俺に、と思ったりもしましたが、小説を読んでビックリ温かみがあって、優しい話でした。そういう雰囲気が私の絵柄に合っていて、お声が掛かったのだと思います。
凄くいい話だから読むといいよ!!(宣伝)
質問
文庫のお仕事をされて大変だったこと、また楽しかったことはありますか? それぞれ教えてください。
回答
やはり、誰かの作った世界や物語を絵に起こすというのはとても苦労しました。
私は自分の絵を描く時には自分の物語を考えてしまっていて、この子はこれが好きだとか、この世界はこうゆう文化があるだとか、そういった妄想の流れるままに絵を描いてしまっていました。なので、原稿用紙という限られた世界の中でいかにディテールを膨らますかに苦労しました。楽しかったことはその逆で、自分の想像の外側にある世界観を得られて、描けることです。
質問
イラストを描く上で、普段から心がけていること、大事にしていることはありますか?
回答
物語を想像できる絵を描く、ということです。
絵は文章と違って緻密なストーリーを描写することができません。しかし、その代わりに見る人の想像に委ねた物語を喚起することができます。100人いれば、100人が全く別の物語を考えてくれるかもしれません。わたしはそういう、絵の向こう側にある物語を色々と想像してくれるような、そんな絵になって欲しいと願って描いてます。
質問
イラストレーターになってよかった、と実感するのはどんな時でしょうか?
回答
やはり、実際に本になったときでしょうか。
茶封筒に数冊の本が入って送られてくるのですが、そこで初めて表紙のデザイン、タイトルロゴデザイン(絵で仕事をするまでタイトルロゴも絵描きが考えているのだと思ってました)、印刷された色と対面します。それを危険物を触るような手つきで1ページ1ページめくっていき、喜びや後悔を噛み締めながらニヤニヤゴロゴロします。
質問
最後に、これから電撃イラスト大賞に応募する方々へひと言アドバイスを!
回答
「チィちゃんは、それで良い?」
私が描かせていただいた『世界の終わり、素晴らしき日々より』に登場する女性は、少女に問いかけました。「答えは単純、イエスか、ノーか、二つに一つ。」
これを読んでいる貴方は今が「それで良い」と思っていますか?
「イエス」であるなら、あんまりこの賞は意味がないかもしれません。地位も名誉もあんまりないからです(そうゆうこと言うな)。
でも、もし、「ノー」であるなら、少しだけ頑張って筆を持ってみてください。
この賞には地位も名誉もあんまり無いですけど、今よりちょっとだけ違った世界になる、そんな可能性があります。