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INTERVIEW 著者インタビュー
受賞者へ直撃インタビュー
受賞者の素顔に迫る、特別インタビュー! 受賞作の制作裏話やタメになる話なども掲載! 小説大賞応募者の皆さんは、この受賞者インタビューを読めば受賞に近づくかも!? 
松村涼哉
(まつむら りょうや)
《大賞》受賞作
『ただ、それだけでよかったんです』
PROFILE
名古屋市在住の1993年生まれ。自己紹介と自分語りが苦手。twitterが恐い。それでもプロフィール欄を書かねばならぬ立場になったことに本気で困惑中。あとがきも多分、書けない。自分には、小説の中身で勝負するしか最初から選択肢がないので、今後も精進する所存です。

ご自身はどんな性格だと思いますか?

周りからはよく「卵かけごはんみたいな人間だね」と言われます。嘘です。自己紹介が嫌いな性格です。きっと恥ずかしがり屋なんです。少なくとも、この質問事項に回答するだけで15分以上かけて、下書き8個は書いています。

趣味(好きなこと)は何ですか?

名古屋市内をサイクリングすることです。近場の方で、ぜひ行ってほしいのは地下鉄砂田橋駅を5分北上して辿り着く宮前橋。川沿いに並ぶマンションと遠くに見える名古屋駅の夜景は、あまり知られていない名スポット。

小説を書き始めたのは、いつ頃ですか? そのきっかけは何ですか?

小学6年生くらいから書くことが趣味になって、高校生からは習慣になりました。だから、きっかけと言われると思い出せません。家から歩いて行ける範囲に図書館があって、そこで岡田淳さんや斎藤惇夫さんの児童文学に夢中になっていたのが記憶にあります。多分どこかで自分も書いてみようという気持ちになったんでしょうね。原稿用紙20枚程度のファンタジー小説が、11歳で初めて書いた物語です。

受賞の連絡を受けたとき、どこでどんなことをしていましたか? そして、どんな気持ちでしたか?

下宿先の台所でお米を研いでいました。電話をくれた担当編集者から焦らされてなかなか結果を言ってもらえなかったので、「おのれぇ、これで受賞してなかったら怒ってやるぞ」と身構えていたら、普通に「大賞です」と報告されて、土下座して謝りたい気分になったのを覚えています。後のことはパニックになったせいで記憶にありません。

受賞作のアイディアは、何から着想を得たのでしょうか?

近くのスーパーです。懐中しるこが売られているのを見て「あんまんにお湯をかければ、おしるこになるのでは!」とアイデアが閃きました。その他諸々の着想から、この作品は成り立っています。

受賞するまでの投稿歴を教えてください。

電撃大賞には過去2回ほど投稿しました。
「最強の作品できた」と第20回に応募して、一次選考落ち。
「これなら受賞は固いな」と第21回に投稿して四次選考落ち。
「この作品はアカンな……」と第22回に投稿して、大賞をいただきました。

ご自身の作品のキャラクターの中で誰が好きですか?

菅原拓以外全員。一番好きなのは岸谷香苗です。才能も能力もないけれど、悩んで忘れて楽して困って一番、人間くさく生きているキャラです。そして、物語を縁の下で支える大事な存在でもあります。

執筆時に苦労したことを教えてください。

一稿目、内容がミステリーにも関わらず「この展開がわくわくするよね?」「こんなキャラが良いよね」と整合性より面白さを優先してしまい、書き直しの量が膨大になったこと。さらには、ヒロインさえ決めずに最後まで書いてしまい「どうしようか」と散々頭を悩ませました。書店に並んでいるのはもちろん完璧に修正できた作品の……はず!

今後、書いてみたい作品などありますか?

もっとおバカな話も書いていきたいです。楽しい意味でおバカな子、皮肉の意味でおバカな子、両方です。原稿が煮詰まったときなどに書いているのは、パワフルで美少女な女子高生がイケメンを逆ナンパしたり、援助交際に挑戦して女子中学生に買われて後悔したりする話。ときにヒキコモリの弟と殴り合って、SNSの詐欺サイトに騙される日常。そんなおバカな物語を日々妄想しております。

目標・抱負を教えてください。

自分の持ち味を活かしたままで、売れ続けることが当面の目標です。みなさまに「この名前、見たことあるなぁ……」と思っていただける事から始めていきたいと思います。

読者には作品のどんなところを楽しんでほしいですか? 作品のアピールポイントなどを教えてください。

天才の自殺、不気味に笑う校長、真相を追う姉、暗躍する女子大生……など楽しめる要素は詰め込んでおりますが、全てはラストまで読んでもらうためです。学校だけではなく、社会や家庭、ネットを巻き込んだ大きな事件の謎を解いたときに、ぽっと浮かんでくる一人の少年の想いと無謀な戦いの結末が、作品最大のアピールポイントになります。

読者の皆さんへのメッセージ

『ただ、それだけでよかったんです』という言葉で、皆様は何を想像するでしょうか。「それ」を求める登場人物の願望? 「それ」をついに手にした満足? それとも「それ」を実行しなかった過去への後悔? その答えは物語の最後で明かされます。ぜひ手に取って読んでいただけたら幸いです。

ただ、それだけでよかったんです

著/松村涼哉 イラスト/竹岡美穂

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