
砂漠に取り残されても苦になりませんが、キャラバンと出会えば一緒に火を囲むタイプです。
美味しい麻婆豆腐を探すことですね。辛すぎるのは好みではなく、麻味の効いたびりびり痺れる味が好きです。自分で作るのも好きなので、心が疲れた時はよく麻婆豆腐を作っています。
中学の時分、家の引き出しからまっさらなノートが転がり出て来たので、ふと訳もなくファンタジー小説を書いてみようと思い立ったのがきっかけです。その小説はすぐに放棄されましたが、それ以来特に飽きもせず、淡々と何かを書いてきました。もともと、読んだ物語の続きを一人で妄想しては誰もいない部屋でぶつぶつと自分に語って聞かせる子供だったので、紙上という多少まともな捌け口ができてよかったように思います。
スイスの寮で連絡が来るのを待っていました。驕っているのか、いないのか、自分でもよく分かりませんが、なんとなく自分の作品は銀賞あたりを頂けるのではないかという気持ちで待っていましたので、受賞の連絡自体にはあまり驚きませんでした。もちろん嬉しかったのは事実ですが、咄嗟の感情としては賞を頂ける喜びというよりも多くの人に自分の作品を読んでいただけることの幸せを噛み締めたように思います。
私は長期連載作品の最終決戦直前に語られる、謎多きキャラクター(準レギュラーでかなり強い。何度も主人公達を窮地から救い、人気投票上位にも食い込む、みたいな)の秘められた過去編が好きなのですが、それを一巻で読めたらとても嬉しいのではないかと。自分で読みたいから書くしかないと。アイディアという程のものではありませんが、物語の雰囲気はそのコンセプトで一貫しています。
手持ちのデータで確認できたものは、第16回、第17回、第21回でした。恥ずかしながら、どれも一次さえ通っていません。一次選考の発表ページは人生でもう二度と見たくないものの五本指に入ります。電撃大賞さんには私の寿命の四分の一は吸い取られたことでしょう。おそらく第17回で心が折れて他のレーベルさんに逃げようとしたのですが、そこでも門前払いをくらい、結局すごすごと帰ってきました。こんな出奔者に門を開いてくださり、感謝の念しかありません。
旅の道中で主人公達と一緒に過ごすことになるイルナというツンドラ系少女です。一人で生計を立てるタフさを持ちながらも、他人との距離の詰め方が慎重なところや、自分自身の弱さに批判的なところに憧れます。あと、ネタバレになってしまうので言えませんが、私の嗜好を突くキャラ属性がたくさん詰まったキャラクターですね。
キャラと世界観のバランスです。深刻過ぎてもつまらないし、かといってあまりにキャラが呑気だと物語とそぐわず……。丁度良いところを探りつつ、特盛のファンタジー要素を押し込めるだけ押し込んだため、推敲作業には神経を使いました。重箱におせち料理を詰め込む感じでしょうか。美味しくて、かつ綺麗な仕上がりになっているとよいのですが。
いい意味でゆるふわなものが書きたいです。もっと言えば、血が流れないお話ですね。『血翼王』はひりひりした場面も少なくないので、書いている身としてはかなり精神を削られます。また、個人的にハイファンタジーだと外来語を使うことに多少抵抗があり(他の方の作品を読む分には気にならないのですが)、言葉の自由度が高い現代日本を舞台にしたものなどに挑戦したいですね。
今書いている物語を一つ一つ繋げて最後まで語りきり、主人公達の人生を全うさせてやることが一番の目標です。そのためにも沢山本が売れて欲しいと切に願っています。また、大口を叩くとすれば、自分の作風はライトノベルの主流からやや外れていると思いますので、今後も業界に厚みを作れるようなある種の独自性を保つことができたらいいな、と。とはいえ小説を書いているだけでも幸せな性格なので、あまり欲張る気もありませんが。
まず全てのキャラクターが抱える様々なドラマ、次に緊張感のある剣術戦闘場面、それから張り巡らされた伏線とおまけに濃縮されたファンタジー世界観です。もう、要するに全部を楽しんでほしいんですが、初めはばらばらに見えるこういった要素が最後には綺麗に着地できるように書いたつもりです。一冊読んだらいい意味で満腹になれると思いますので、このボリューム感をぜひ味わっていただきたいです。
刀に剣術、喋る動物に王女と護衛の逃走劇、神話と人間の情念が入り乱れる血染めファンタジー……。こんな文言に食指が動くのであれば、ぜひ読んでみてください。きっと満腹になれるはず。そういうのは趣味じゃないという方も、ぜひ読んでみてください。きっと新たな味覚と出会うはず。頭の先までどっぷり幻想に浸って、でもそれが現実への活力となる、そういう物語になっていたら嬉しいです。