大阪出身。「朝起きてはじめにマンガが描きたい」と思い、マンガ家を目指しました。投稿を続けに続けていくなかで、受賞することができました。まだまだ未熟ですので、さらなる技術の上達を目指したいです。

この度は選考委員奨励賞をいただき、ありがとうございます。ペンを握る際には「愛情を込めて丁寧に」を心がけました。それ故、私にとってとても大切な物語になったので、未熟な作品ではありますが、受賞できて嬉しいです。まだまだ表現力・技術・画力が乏しいので修行を積んで、思い描いたモノを形にできるように、これからもいろいろな物語を描いていきたいです。

※本選評は応募時の原稿に対してのものです。

• 高河ゆん（漫画家）

  よい個性を持っていて、他と差別化できています。このまま好きなものをのびのび描いていって欲しいです。ハードになりかねないところを、絵柄の味、キャラクターの愛嬌や美しさでカバーできる、絶妙なバランスに今後も期待しています。

• 綱島志朗（漫画家）

  個人的にですが僕はこの作品はかなり好印象でした。独特のタッチを醸しだしながら、それでいてキャラの可愛さを崩してなく、読みにくいわけでもない。純粋に面白かったです。しいて挙げるのなら、ずっとちぎれた右手が気になって話に集中できなかったので、大怪我ぐらいにしてほしかったかなと思います……（汗）。

• 大河内一楼（アニメーション脚本家）

  人魚と狸の恋の話。題材の選び方に、個性を感じました。かわいい絵柄で童話っぽい話なのですが、それだけに切なさが引き立つというか、面白かったです。最後で、主人公の狸が、自分のちぎれた手をくわえてくる展開は、好き嫌いが分かれると思いますが、自分は好きでした。ただ、どうせなら、もうちょっと大きくやってほしかったなと。最後に、ちぎれた狸の手と、人魚が指切りする絵は、とても美しく、残酷で、切なくて、ぐっときました。

• 吉積 信（株式会社バンダイナムコゲームス『テイルズ オブ』シリーズ統括プロデューサー）

  読後、何だか救われない気持ちになったのはおそらく作者の狙いだと思うのですが、ここでストーリーを終わらせるという、感性の新しさを感じさせてくれた作品です。作画としてはそれほどおかしな方向に振り切ってはいないものの、良くも悪くも当世風と言ってもいいと思います。ちょっと笑いの混ぜ方が読者におもねり過ぎで「面白いでしょ？」の出し方が押しつけがましいかな？　ごく個人的な感想ですが、作者は一種独特の感性を持っていると感じました。今後が気になりますね。

• 鈴木一智（アスキー・メディアワークス副ＢＣ長、第２編集局統括編集長）

  カワイイとキモイが妙な感じで混在する絵柄は若干見辛い部分はあるものの、独特の雰囲気を醸し出しています。引きちぎられた手で指切りするラストは物議を醸しましたがこの方の作品性を象徴しているようにも思います。好みは分かれそうですが、今回最も印象に残った作品でした。

• 梅澤 淳（第1編集局担当局長）

  いろいろと荒削りな部分もあるが、それを補って余りある「個性」がある。とくに独特の描線が唯一無二な世界観を構築しており、作品の不思議な雰囲気とマッチしている。作画は全般的には読みづらくはあるが印象的なコマが多く、読後も長く記憶に残る作品。