第21回電撃大賞 入選作品
電撃イラスト大賞部門

選考委員奨励賞受賞作

シロジ

想定作品『男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。』

著/時雨沢恵一

受賞者プロフィール

東京生まれ東京育ち。物心ついた頃から絵を描くのが好きで、将来は絵を描く仕事をと決めていました。大学では周りのレベルの高さに打ち拉がれつつも卒業後も諦めきれずに絵を描き続け今にいたります。趣味はゲームとカラオケ。絵を描く時はよく歌いながらパソコンに向かっています。運動は好きですがもっぱらインドア派になってしまったので、最近家族になった愛犬と一緒になくなった体力ゲージを取り戻そうとしている今日この頃です。

受賞者コメント

この度は奨励賞に選出していただき誠にありがとうございます。受賞の電話を受けた時は心臓のバクバクが止まりませんでした。課題イラストは、描こうと思った頃にちょうど昔から好きだった時雨沢恵一さんの新刊が出るということで、これだ!と思って選ばせていただきました。実は3年前にも一度応募していたのですがその時は1次審査も通らなかったので、見てもらえるイラストになったのだと思うととても嬉しいです。とはいえ、技術的にも人間的にもまだまだ未熟ですので、いただいた選評をしっかり受け止めて、これで終わらないよう根っからの負けず嫌い精神を活かしてこれからも精進していきます。

選考委員選評

  • 天野喜孝(イラストレーター)

    とにかくキャラクターが、とくに女の子がとても可愛く魅力的に描ける人だと感心しました。カラー、モノクロともに、微妙で繊細な表情をうまく描き分けられていて、魅力がありました。極端なことを言えば、背景がなくても、キャラクター単体で絵を成立させてしまう力を持っています。こんな女の子が出てくる小説なら読んでみたくなりますね。

  • 出渕 裕(デザイナー、イラストレーター、アニメーション監督)

    描きたいものが伝わってきました。キャラクターだけでなく、プロットが絵としてしっかり描けていた点が高ポイントでした。マイクや瓶や花などの小道具がきちんと描けていて、とくにカラーの課題作品にある台本には、おそらくそれを持つキャラクターが描き込んだと思われるメモ書きまで描かれています。丁寧に描き込まれた細部が、上手く配置されて絵全体を支えている。実は、こういったディテールが絵には大切なんです。「イラストの魂は細部に宿る」と感じられた作品でした。

  • 衣谷 遊(漫画家)

    どの作品も、キャラクターがとても可愛くて、絶妙な表情を捉えていて魅力的です。見ていて楽しい気持ちになれました。カラーのオリジナル作品は、ぼんやりとした光の描き方が雰囲気を醸し出していてよかったです。ただ、とくにモノクロ作品のほうですが、構図についてはもう一考できる余地があったのではと思います。意識的に工夫していくことでもっとよくなると感じました。

  • 緒方剛志(イラストレーター)

    女の子のキャラクターが丸っこくてとにかく可愛くて、僕は大好きです。カラー作品もモノクロ作品も、色々なパターンの構図があって工夫があり、素晴らしかったです。激戦のすえ奨励賞となりましたが、背景をもう少し描き込めば上位の賞だったかもしれません。このままでも充分プロとしてお仕事ができるのではないかと思いました。

  • いとうのいぢ(イラストレーター、ゲーム原画家)

    女の子の動きや表情などを見ても、「このキャラクターのここが書きたい!」という気持ちがバシバシ伝わってきたところが評価ポイントでした。とくにカラーのオリジナル作品にあるように、白背景に映えるキャラクターが描けているところなどは、キャラクターへの思いが伝わってきてよかったですね。すでに作風が完成されていると思いますので、このまま描き続けていってほしいです。

  • 和田 敦(電撃文庫プロデュース室室長、電撃文庫編集長代理)

    一番の決め手はオリジナルのカラー作品だったのではないでしょうか? キャラクターの魅力がすごく出ていて、文庫のカバーとしても映えるほど輝いていた作品だったと思います。一方でモノクロのオリジナルはやや年齢を下げたからか、魅力はあるのですがやはりカラー作品には勝てない感じの印象になってしまったかもしれません。カラーの課題作品は構図も面白く、違う魅力を出し切れていて、こちらも目を惹く作品に仕上がったかと思います。

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