第22回電撃大賞 入選作品
電撃コミック大賞部門

銀賞受賞作

『プリズン・イン・ダムド』(オリジナルコミック作品)

ふじや

受賞者プロフィール

アメコミと新しい試みに興味を持ち続ける、鹿児島生まれ宮崎在住。成人コミックジャンルにてデビューして4年目、ようやく職業欄に自営業と記載出来るようになりました。自分の強みと弱点がハッキリ分かってきたところです。

受賞者コメント

はじめての単行本を出して今後の身の振り方を考えているところに面白そうな企画のお話をいただき、飛びつかせていただきました。『血と泥と汗にまみれた男達がニカッと笑う』をテーマに描かさせていただいた今作ですが、まだまだ描き残した事もあり、ここからもっと面白い作品に昇華していければと思います。最後に、この度は栄えある賞に選出していただき誠にありがとうございます。

選考委員選評

※本選評は応募時の原稿に対してのものです。

  • 高河ゆん(漫画家)

    画力が高く、迫力あるアクションシーンや魅力的な女の子が描けています。重量級キャラをカッコよく見せられるのは、大きな武器です。舞台や能力の設定、戦い方などはまだ面白くできそうです。アイディアを練りこんでみてください。この先を読んでみたくなる作品でした。

  • 綱島志朗(漫画家)

    読み切り……と言うよりは、連載漫画の第1話を見たという印象。「二人の能力者が今後、どういうことをしていくのか?」と思わせるには十分な内容でした。ただアクションシーンの迫力にばらつきを感じました。おそらく得意な構図やシーンはしっかり描けるのでしょうが、そこに至るまでの絵作りに少し迷いが見られるので、もっといろんな構図を描ける画力が欲しいです。気持ちのいい集中線やコマ割りにも力を入れていきましょう。

  • 大河内一楼(アニメーション脚本家)

    能力者バトル系の王道作品。主人公が絶対的に強い能力というわけでもなく、それゆえにバディものとして面白く読めました。ストーリーはまだまだ導入部なのですが、早く2話を読みたいと思わせるだけの、キャラクター性と期待感のある作品でした。全体的に雑な部分も感じましたが、それでも、ふじやさんには、このスピード感でどんどん作品を描いてもらいたいです。

  • 吉積 信(株式会社バンダイナムコエンターテインメント ゲームクリエイター)

    今回の応募作の中ではかなりアクがある部類の絵柄ですが、私には魅力的に感じられました。線は荒いがデッサンもちゃんとしているし、何しろアクションシーンの鬼気迫る描写は突出していました。キャラクターの表情も凄みを感じさせて高評価です。島(刑務所)の遠景描写にちょっとヌイたようなところがあることと、アクションシーンで、今何が起こっているか分かり難い部分があることは、今後改善していただきたいです。

  • 鈴木一智(アスキー・メディアワークス事業局 統括部長)

    躍動感のある筆致でゴリゴリ押してくる作風。勢い余ってラフっぽく見えたり、動きのシーケンスが分かり辛かったりする箇所も散見されるものの、それを補って余りある勢いを感じさせる作品でした。ダーレンが味方になる動機が若干弱いものの設定自体は興味深く、連載第1話的な立て付けは今後の展開を期待させます。萌え系の作品が多い中で最も個性が光った作品でした。

  • 梅澤 淳(アスキー・メディアワークス事業局 第1編集部担当部長)

    読者を強く意識した作品であり、作画やデザインなどの完成度はかなり高い。しかし、連載ものの第1話であるこの話を読むだけでは、キャラクターの魅力が弱く、バディものの特徴である「コンビの関係性」の面白さに欠けていた点が残念。

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