


受賞者プロフィール
東京都出身千葉県在住。好きなものを漫画にするのを楽しみに日々生きています。趣味は食べ歩きとバスケ観戦。人間の陰の部分を描くのが大好きです。色んな物に興味を持ち、肥やしにするため日夜活動中です。
受賞者コメント
この作品を電撃大賞に応募することになった時、まさか賞を頂けるとは考えてもみませんでした。可愛くて、ダメで、愛すべき女の子同士の恋愛を私の好きなように描かせて頂きました。この作品を選んでもらえたことを励みに、今後も自分の嗜好に正直に、そして多くの人に楽しんでもらえる調理を心がけて漫画を描いていこうと思っています。
選考委員選評
※本選評は応募時の原稿に対してのものです。
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高河ゆん(漫画家)
個人的に好きな作品です。会話やシチュエーションにときめきます。こういうタイプの作品を受け入れる編集部、読者の懐の深さも感じます。面白ければいいということです。このまま描き続ける方向でよいかと思いますが、更なるステップアップの為には、キャラクターデザインや効果的な小道具などディテールに力を入れてみてください。
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綱島志朗(漫画家)
まず最初に思ったのは、いわゆる「電撃っぽい」マンガじゃないな、ということでした。その部分に目をつぶれば、キャラクターが可愛らしく印象的でした。内容についても、男目線から見れば「可愛い女の子」でも女の子目線ではこう思ってるのか、それでもこの二人は一緒に……などなど、いろいろ想像させるのに十分な内容でした。ほかにどんな漫画が描けるのか、いろいろ見たくなりますね。
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大河内一楼(アニメーション脚本家)
ちょっと文学の香りがして、僕は大好きでした。女の子二人の関係だけで、大きな事件もなく読ませるのは、脚本の上手さだなー、と感心しました。女の子のどこか淫靡で、いびつな感じも心に残ります。個人的に、とっても期待したい才能でした。次作も楽しみにしています。
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吉積 信(株式会社バンダイナムコエンターテインメント ゲームクリエイター)
時代なのか、登場人物たちのような存在や思考が素直に受け入れられるようになりました。我ながらびっくりです。特にこの作品の持つ空気感にはある種の清々しさをも感じます。舞台劇を見ているような作品です。セリフの選び方がただ者ではないですね。これだけ絵が描けるのでコミック作家は間違ってないですが、小説家として文章だけで表現することに挑戦してみるのも面白いかもしれません。
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鈴木一智(アスキー・メディアワークス事業局 統括部長)
舞台は家の中のみ、登場人物は女の子二人だけという限定されたシチュエイションで描かれるちょっと百合な物語。大きなシーン展開が無いぶん抑揚に欠けるのは否めませんが、絵では描かれない周辺事情が分かる工夫がなされており、世界観を過不足なく表現できています(個人的にはちょっと昔の“やおい系”を思い出しました)。読者のターゲティングが難しそうな作風ではありますが、興味深いスキルを感じさせる方です。
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梅澤 淳(アスキー・メディアワークス事業局 第1編集部担当部長)
主題・脚本は興味深いが、それを伝えるべき演出・作画がうまく機能していない。室内での会話劇が中心なので、部屋の間取りや小物なども丁寧に描写し、画面からもっとリアリズムが欲しかった。しかし語り口はテンポよく、短編としては良くまとまっていた。