


受賞者プロフィール
静岡県出身。創作することが好きで、その欲求が一番満たされるのが漫画だった為この道を選ぶことにしました。好きな作品ジャンルは最後まで面白く見れるものなら何でもいい雑食です。
受賞者コメント
この度は金賞にご選出していただき誠にありがとうございます。年齢的にこれに入選しなければ漫画家を志すのは断念しようと思っていた矢先の出来事だったので、気持ちとしては嬉しさより周りへの感謝が先に湧いてきました。本当にありがとうございます。今後は読者の方々に作品を好きになってもらえるよう、思考と視線を巡らせながら創作活動をしていきたいと思います。
選考委員選評
※本選評は応募時の原稿に対してのものです。
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高河ゆん(漫画家)
中盤までとても歪んだフェチズムを感じ、ドキドキしながら読みました。きちんと背景に意味を持たせて描かれているなど表現力も演出力もあり、芯のある作品だと感じます。惜しかったのは主人公を死なせるだけで終わってしまったことです。ショッキングなエピソードを入れてしまったときにキャラクターを死なせるのは、実のところ1番安易な方法です。死なせることが必ずしも悪いことではありませんが、今回の作品ではもうひとひねり欲しかったです。
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綱島志朗(漫画家)
キャラはもちろん、背景にまでしっかり手を加え日常に潜む不思議と怖さの世界観を表現できてると思いました。絵はバッチリな分、ストーリーは審査で賛否両論となり、一番物議を醸した作品でもありました。途中まで主人公と幼馴染のいい雰囲気の中で「なんでそうなっちゃうの? もっとほかになかったの?」と、どうしてもそう思ってしまいました。内容については未熟に感じてしまう部分もあるのですが、そう思わせてもなお人を惹きつける表現力、この部分は本物です。それだけ人に何かを思わせる表現力を武器にこれからも頑張ってください。
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大河内一楼(アニメーション脚本家)
読みながら、ハラハラして、続きが気になって、一気に最後のページまで読み進めました。ラストについては賛否両論あるでしょうが、そのラストに向けて引っ張る演出力、ストーリーテリングは確かなものがあります。あとは、この力を使って、読者をどんな気持ちにさせたいか、どんなテーマを描きたいかだと思いました。プロとして生きるには、企画力、商品力も問われてくるでしょう。でも、十分にその課題もクリアできる方だと思います。早く次の作品が読みたいです。
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芝村裕吏(ゲームデザイナー、小説家)
かなり凝った感じで話が練りこまれていて大変好感が持てました。市場で受け入れられるかどうかは未知数ですが、この話、ではなく、これを書いた力量の人、を評価する意味で選びました。これだけ腕があればもっと多くのお客さんが喜ぶ作品だって作れるでしょう。そういう意味では作品というより属人的に選んだ選です。これくらいのクオリティであればエンディングを何度か書き直し、ネームも数回は切り直していると思います。その努力がプロです!頑張って!
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梅澤 淳(株式会社KADOKAWA アスキー・メディアワークス事業局 第3編集部担当部長)
作画や演出などの完成度は高いのですが、主題や物語運びに共感できず、ちぐはぐな印象が残りました。しかし、選考会でいちばん議論が白熱した作品でもあり、良くも悪くも読み手の感情をそれだけ揺さぶるということこそが「作品」の本質でもあるので、そこを大いに評価しました。これからも読み手に衝撃を与えるような作風を心がけてください。