第24回電撃大賞 入選作品
電撃コミック大賞部門

銀賞受賞作

『もう夏は来ないけれど』(オリジナルコミック作品)

カボちゃ

受賞者プロフィール

山形県出身。制服女子と青色が好きです。小さい頃から絵を描くのが好きで、漫画もよく描いていたのですが、ちゃんとした一本の漫画を仕上げられるようになったのはつい最近です。

受賞者コメント

この度はこのような素晴らしい賞にご選出いただき、ありがとうございます。ラストシーンの入道雲が描けて満足していたのですが、まさか受賞できるとは思いませんでした。いまだに実感が持てず、どこかふわっとした気持ちです。今回の結果を励みに今後は、「私らしさ」を見つけて私にしか描けないような作品を描いていけるようがんばっていきたいです。

選考委員選評

※本選評は応募時の原稿に対してのものです。

  • 高河ゆん(漫画家)

    繊細で叙情的な空気感のある、女の子目線の恋愛表現がとても魅力的な作品でした。ヒロインの子が、水泳部という設定がまたいいですね。グラウンドを見て思いを馳せる女の子というのがとてもかわいい。まだ22歳と年齢が若くいろいろな可能性を秘めていると思いますので、ぜひたくさん描いて経験を積んでいっていただければと思います。

  • 綱島志朗(漫画家)

    まず、「絵が綺麗だなぁ」と。それにほのかな百合ストーリーとの相性はバッチリ。徹底して男(の顔)を描かないところは拘った所なのでしょうか? おかげで女性の美しさが際立っていたと思います。全体的に粗もなくまとまってる分、応募作品の中でちょっと埋もれてるな~、とも思いました。ここに突出した何かが加わればもっと目立つ……目立っていかなければいけないのだと思います。今回は話の波が穏やかだったので、今後激しい内容のものをこの絵で描いたらどうなるのか、見てみたいですね。

  • 大河内一楼(アニメーション脚本家)

    この若さで、これだけ描けているのは将来楽しみです。少女たちの恋愛という雰囲気も、ラストの控えめながら節度のある感じも透明感と清潔感があって良いです。ストーリーの展開も、ミスリードさせようという意図と演出がはっきりとあるし、上手に組み立てられています。金賞に届かなかったのは、個性という点でもう一歩という印象があったからです。この作品を覚えているだけの強いシーン、この作者の次作を期待したくなるような特別さがほしい。そう望みたくなる才能でした。がんばってください。

  • 芝村裕吏(ゲームデザイナー、小説家)

    作品的には金賞をとってもおかしくありません。実力については文句なし。マンガを描く人とは思えない正規の教育を受けた感があります。ストーリーラインも繊細でおいしくいただけました。金賞を惜しくも逃したのは、単に運が悪かっただけ、と思っていただいて結構です。実戦では評価が逆転することなど普通にありますから、胸を張っていただいて結構です。早くプロになって、作品を書かれることを願っております。この人の話を読んでみたい。

  • 梅澤 淳(株式会社KADOKAWA アスキー・メディアワークス事業局 第3編集部担当部長)

    居眠りしている先輩のメガネをこっそりかけるシーンや、主観カメラが涙で濡れるシーンなど、全編を通して、瑞々しく美しい場面がたくさんありました。作画にやや硬さは残る印象でしたが、弱冠20歳にしては、丁寧で真面目な作風に好感が持てました。作家として成長しても、この純粋な感性を失わないでくださいね。

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