第26回電撃大賞 入選作品
電撃イラスト大賞部門

銀賞受賞作

栗栖ゆん

想定作品『86―エイティシックス―』

著/安里アサト

受賞者プロフィール

いろんな物語を一枚につめこんだイラストを描くのが好きです。最近ペンギンとハムスターの動画を見ることにハマってます。

受賞者コメント

この度は『第26回電撃イラスト大賞』において、銀賞という過分な評価をしていただき誠にありがとうございます。大変嬉しく光栄に思っております。想定作品『86―エイティシックス―』は、最近楽しく読んだ電撃大賞入選作品で重厚なストーリーと世界観、その中にキャラの可愛さと切なさが含まれている深い作品だったので、描くことがとても楽しかったです。これまで多くの助言をいただいた皆様に、この場をお借りして深くお礼を申し上げます。今回の受賞を励みとして、さらに精進させて頂く所存ですので、今後ともよろしくお願いいたします。

選考委員選評

  • いとうのいぢ(イラストレーター、ゲーム原画家)

    この方は、流行に左右されない自分自身の世界観があって、独特なキャラクターを描く方だと感じました。特にオリジナルのカラーイラストは、画面の構成や女の子の表情がとても考えられています。独特の世界観がある反面、キャラクターと背景の書き込みのバランスの完成度が難しく、まだ完成していない部分があります。表情のあるキャラクターも少なかったので、キャラクターの表情の描き分けやレパートリーを増やすために、生きたキャラクターを意識すると、より映えたイラストになると思います。メカやSFなどの物質的なものが好きで得意なのは伝わってきますし、とても評価できる部分なので、様々な引き出しを増やしていってくれることに期待しています。

  • abec(イラストレーター)

    オリジナルのカラーイラストが抜群に素晴らしいです。全体的に色使いが上手いと思いました。特に青系の色使いは見事で、それがこの幻想的な雰囲気を生み出していると思います。カラーイラストの塗りの技術は申し分ありませんが、一方で、モノクロイラストでは荒さが気になります。背景の描き込みが不足していたり、イラスト全体の情報量が不足している点が、どうしても目についてしまいました。また、キャラクターの体のバランスが独特ですが、そこにフェティシズムや、気持ちよさを感じられなかったので、独自の表現として昇華してほしいと思いました。

  • loundraw(イラストレーター、作家、漫画家)

    作品とキャラクターの纏っている空気が世界観を創り出していることが印象的でした。たくさんの色を使っていますが、それでもしっかりとまとまっています。課題のカラーイラストの背景は女の子の周りを白く抜き、下部にアクセントで赤を使うなど、画面を飽きさせない工夫も感じられます。一方で、デザインセンスが長けていることが平面的な印象につながってしまっている部分もあるので、キャラクターと背景の距離感を意識するとより完成度が高くなるのではないでしょうか。イラストとしての構成力はすでに身に着けていらっしゃるので、さらに画力を高め、自由に成長していただければと思います。

  • 荒木人美(電撃文庫副編集長)

    格好いい男の子やかわいい女の子に加え、メカや動物などいろいろなモチーフに挑戦し、そのどれもがしっかり描かれている点が非常に好印象でした。カラー2点は、色使いがとても綺麗でした。特にオリジナルの宇宙服の女の子が佇んでいるイラストは、構図、キャラクターの魅力ともに人目を引くパワーがありました。今後の課題は、キャラクターの表情です。例えば、モノクロのオリジナルイラストは構図に動きがありますが、キャラクターが無表情に見え、もったいなく感じました。構図やシーンに合わせた表情を意識していただければ、さらに魅力的なイラストになると思います。

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