愛知県豊橋市出身。猫が大好きな観る将です。現在は美大に通う傍ら絵を描いて活動しています。

この度は素晴らしい賞をいただき、誠にありがとうございます。「涼宮ハルヒ」シリーズが小学生時代に人生で初めて読んだライトノベルであり、漫画やアニメの世界に熱中するキッカケとなった思い出深い作品なので、こうしてKADOKAWA様主催の電撃大賞にて賞をいただいた事にご縁を感じると同時に大変嬉しく思います。想定作品「青春ブタ野郎」シリーズは大好きな作品で、キャラクター達の関係性や感情を丁寧に描写したいという気持ちを込めて描きました。これまで私を支えてくださった沢山の方々にこの場をお借りして心より御礼を申し上げます。今回の受賞を大きな励みとし、今後も一層精進して参ります。本当にありがとうございました。

• いとうのいぢ（イラストレーター、ゲーム原画家）

  電撃文庫の読者が求める可愛らしさが人物から溢れていて、全体的に好印象でした。ここを見せれば可愛く見えるポイントの押さえ方がとても上手です。ただ構図が不自然に見える箇所があるのが残念でした。例えばオリジナルカラーイラストの女の子は、どこに座っているのか足の角度からはわからず、違和感を覚えました。日常シーンは特に読者も不自然さを感じやすいので注意が必要です。人物や風景などの実際にあるものを良く観察し、どういう仕組みなのかを理解した上で、どういった構図の絵にするのかを考えてから描き出すともっと良くなると思います。

• abec（イラストレーター）

  とても可愛らしいキャラクターを描く方だと思いました。オリジナルのカラーイラストは人物の髪の色も綺麗で、背景と同系色でありながら良く映えています。どのイラストもキャラクターを軸に描かれていて、何を描きたいのか明確なところがいいと思いました。ただ応募作品全般として、「ご自身が描けるものを描いた」というのが物足りないところでした。賞を意識すると、挑戦することは難しかったのかもしれませんが、ご自身の幅を広げるためにも描いたことのない絵に挑戦する方が将来的にはいいと思いますし、個人的にもそういうイラストをこそ見てみたいです。

• loundraw（イラストレーター、作家）

  キャラクターがとても可愛く描けています。特に髪の光沢感は、イラスト調ではある中にもリアルな艶感が感じられます。イラストらしさと、人物として描くキャラクターのリアリティが共存していて、人を描くのが上手いと感じました。花火のシーンのモノクロイラストは、場面の写実性と、「暗い場所にいても、恋をしている女の子が輝いて見える」という相反する要素を上手く収めていて好きです。一方で背景に関しては、「埋めよう」としている印象を受けました。背景は画面の後ろにあるものですが、同時にキャラクターを引き立てる要素でもあります。キャラクターを可愛く魅力的に描くために、人物だけでなく、キャラクターを引き立てるための背景という視点から描けると、さらによくなるかと思います。

• 荒木人美（電撃文庫編集長）

  女の子が非常にかわいらしく、また生き生きと描かれているのが、最大の魅力だと思います。キャラクターの感情が瞳でうまく表現してあり、そこが評価ポイントでした。特に、課題のモノクロイラストは、ヒロインの切ない思いを表情で巧みに描写してあり、素晴らしかったと思います。反面、オリジナルイラストに関しましては、ポージングがやや硬かったり、背景の描き込みも甘い部分があり、課題点もあると感じました。キャラクターの魅力という武器をお持ちなので、そのほかの部分を、もっとたくさん絵を描くことで伸ばしていただけたらと思います。今後の進化に期待いたします。