千葉県出身。専門学校に通っています。アニメやマンガ、ライトノベルが好きです。見てくれた方の心に残るようなイラストを目指して日々制作しています。自分が描いたイラストで本の表紙を飾るのが夢です。

この度は素晴らしい賞をいただき、大変光栄に思います。何を描くか最後の最後まで悩み抜きましたが、結局描いたのは好きなものと好きな作品でした。反省点は多くありますが、好きな分だけ思いがこめられた気がするので、描けて良かったです。そして私がこのような身に余る評価を得ることができましたのは、自由に絵が描くことができ、そして感想をいただける環境に恵まれたおかげです。この環境を作ってくださった全ての人々にこの場をお借りして心からの感謝を申し上げます。初心を忘れず頂いた賞を励みに日々精進を重ねて行こうと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

• いとうのいぢ（イラストレーター、ゲーム原画家）

  書籍を飾るにぴったりなとても生き生きとした可愛いキャラクターを描く方だと思いました。それだけではなくオリジナルのカラーイラストのように、桜の枝を教室のなかにまで入り込ませる、見ている人にいろいろな想像をさせてくれる構図、作家性がとても素晴らしいと思いました。単に描写を切り取るだけではなくイラストの前後にある物語を想像しながら描いているところが特に素敵でした。ただ、よく見ると線に雑さを感じてしまう部分もあり、勢いを殺さない程度の丁寧さを心掛けても良いかと思います。得意なところを伸ばしていけば、より良い一枚が描ける方だと思いますので、これからの成長が楽しみです。

• abec（イラストレーター）

  『エロマンガ先生』のカラーイラストは、作品とキャラクターのことをよく考え、構図が練られているのがいいですね。何よりオリジナルのカラーイラストは、完成度が高くて素晴らしいです。物語性が感じられ、構図や色使いもキャラクターを見せるために計算された、ハイレベルな一枚だと思いました。このクオリティがすべての絵にあったら、大賞候補だと思います。キャラクターもかわいく描けていて、モノクロイラストでもカラーと同じ労力をかけるなど全体的なレベルは高いのでaすが、水面の処理に荒さが感じられたりと惜しいところが散見されるのが残念でした。あと一歩完成度に対する意識があれば、結果は違ったかもしれません。

• loundraw（イラストレーター、作家）

  全体としての構図や基本的なデッサン力の高い方だと思います。桜のカラーイラストは手前にある桜から枝を通して右奥までの空間が綺麗に表現できていると思います。一方で、窓の外に続く枝とピンボケしている幹のディテールの差や桜のサイズ感、教室の床がラフであるといった部分は気になります。わざとラフに見せることと雑に見えてしまうことは紙一重なのですが、綺麗に感じてもらうにはどうするべきかをより意識するとよいかと思います。技術的なことや絵を描く姿勢は既にかなり高いレベルだと感じます。自分が考えていることの適切な表現やその精度を上げることで、すぐにでもさらにレベルの高い絵を描けるポテンシャルがあるので、自分を信じて描き続けていただければと思います。

• 黒崎泰隆（電撃の新文芸編集長）

  ライトノベルのイラストの王道とも思える鮮やかな色遣い、塗り方も今どきのタッチで、すぐにでも電撃文庫で依頼してもいいクオリティです。ラブコメでもアクションでも、柔軟に描き分けられる技量があるのだろうと感じました。桜の樹が教室内にまで伸びてきているイラストは、とくに光の使い方が上手で、ハッと目を引かれる美しさを漂わせています。モノクロイラストはキャラクターの表情も豊かで、感情がしっかり伝わってきます。カメラが寄っていても、引いて全体を見せる絵でも、構図が決まっていて、キャラクターの動きもある。カラーとモノクロに完成度の差がないのも驚きです。個人的には、大賞でもおかしくないレベルだと思っています。