第29回 電撃小説大賞 入選作品
電撃イラスト大賞部門

選考委員奨励賞受賞作

あろあ

想定作品『とらドラ!』

著/竹宮ゆゆこ

受賞者プロフィール

鳥取県出身。現在は東京で大学に通いながら絵を描いています。2016年からパソコンで絵を描き始める。儚い女の子、白髪、四季を描く事が好き。主にTwitterとpixivで活動。趣味はカラオケとピアノ。

受賞者コメント

この度は、輝かしい賞を頂戴し、誠に光栄に存じます。28回も応募しようと思っていたのですが、自分自身に自信がなくなかなか応募できずにいました。しかし、自分の成長のために挑戦することを決め、精一杯の実力を出そうと思い今回初めて応募しました。そのため、受賞の知らせを聞いた時はとても嬉しかったです。この表彰は私個人の力ではなく、絵を描く環境を与えてくれた親や、何より私の絵を見てくださる方々のおかげであると痛感しております。今後は、支えてくださる皆様に恩返しできるよう、精進して参りますので今後ともよろしくお願い致します。

選考委員選評

  • いとうのいぢ(イラストレーター、ゲーム原画家)

    キャラクターの喜怒哀楽を描くのがとても上手な方だなという印象でした。特に『とらドラ!』のモノクロイラストは女の子の怒りと可愛さが同居しており、ライトノベルの仕事をする上で強い武器だと思います。おそらくご自身でも自分に足りてない部分を把握されていると思うのですが、描き込みが甘い部分や、基礎的なデッサン力の部分はまだまだ伸び代があると感じますが、それは完成度に対する意識と純粋に描いた量によって十分に補える部分だと思うので、これからうまくなると思いました。色使いや構図、シチュエーション設定などとてもセンスがある方だと思うので、弱点を克服して得意なところを活かしていただきたいですね。

  • abec(イラストレーター)

    今回、最終選考に残った方の中で最も商業的伸びしろを感じる方でした。魅力的なキャラクターを描く上での、教えられるだけではなかなか身につけられない、言語化の難しい感覚をお持ちだと思います。モノクロイラストでの影のメリハリの付け方も気持ちがよく、才能を感じました。ただ色が着いたときに魅力が半減して感じられたのが残念です。伸びしろはそのまま足りない部分という事ですので、基礎的な画力を上げるための「お絵描き筋トレ」を続けて、地力を高めてほしいと思いました。弱点を補った上で、ご自分のやりたい方向性を突き詰めていけば、近い将来人気イラストレーターになっている気がします。

  • loundraw(イラストレーター、作家)

    イラストを描く前の設計図の段階でメッセージを込めようとしている点で志が高いと思いました。特に窓から外を見ている女の子のモノクロイラストは、直接描かれていない物語性を感じさせるのが素晴らしいです。一方でデッサンなど基礎的な部分はこれから伸ばしていけるとキャラクターの魅力を高められると思います。また少しラフな部分が残っていたり絵の密度がもの足りないと感じる部分もあったので、もう一段高く丁寧さのレベルを設定できると完成度を上げられると思いました。非常に大きなポテンシャルを秘めた方だと思うので、技術的な部分を高めつつ、自分が好きなものがどうしたらもっと上手く伝えられるかを考えながら描き続けていただきたいなと思います。

  • 黒崎泰隆(電撃メディアワークス編集部 部長)

    カラーイラスト2点とも、キャラクターの可愛さはもちろんですが、背景のイルミネーションや降り注ぐ雪、澄み切った水中の描写など、絵全体を美しく見せようとする心遣いに、とても関心しました。モノクロイラストでも、キャラの感情がストレートに伝わるようにディテールまで仕上げていて、申し分のない出来と言えます。今後は、他人にはない個性を強く出すように心がけていただくと、より魅力的な絵につながっていくと思います。

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