第29回電撃大賞 入選作品
電撃コミック大賞部門

銀賞受賞作

『知らない感情の求め方』(オリジナルコミック作品)

ウルア

ストーリー

海嶋葵依(あおい)、16歳、女子高生。恋愛に興味を持つことなく過ごしてきた彼女は、ある日突然、後輩の女の子とクラスメイトの男の子、二人から告白される。断っても諦めるつもりのない二人に困った葵依は、1か月の間に自分を落としてみせろと提案するのだが……。

受賞者プロフィール

幼い頃から将来は大好きな絵に携わる仕事がしたいと思い、描いてきました。今は専門学校で漫画とイラストの勉強をしつつ作品作りに日々邁進しています。絵を描くことだけに集中できる毎日が楽しいです。

受賞者コメント

この度は銀賞という栄えある賞に選出いただき、誠にありがとうございます。初めて最後まで描き上げた読み切り作品でまさか選出いただけるとは思ってもみなかったため、大変驚いております。支えてくださった周りの皆様のおかげです。大変、大変感謝申し上げます。今回の結果を糧にし、少しでも多くの方々の目に留めていただける作品を描けるように精進してまいります。

選考委員選評

※本選評は応募時の原稿に対してのものです。

  • 高河ゆん(漫画家)

    他の受賞作と比べると技術的にはまだ足りない部分が多くある作品だと思います。それでも、細部まで手を抜かずに全力で描き切ったことが伝わってくる原稿で、読んでいて気持ちがよかったです。もったいなかったのは、物語の中で読者がグッとくる展開をしっかり作れていたのに、そのシーンを演出する技術が足りてなかったこと。漫画は1つの見開きで読者の心を奪うことができれば、多少の不満は忘れてもらえるものなので、勝負所の画面作りを磨いてほしいです。さらなる成長に大いに期待しています!

  • いみぎむる(漫画家)

    ストーリーの構成やキャラクターの配置など、基本的な造りはしっかりできています。キレイな絵柄で安定して描けているのも良いと思います。小さなコマも手を抜かず描かれており、作画に関してはかなりレベルが高かったと思います。キャラクターの表情もきちんと描き分けられていました。ただ、オリジナリティの面では少しもの足りない印象でした。ストーリーの展開なのか……演出なのか……何か目を引くものが欲しかったですね。

  • 大河内一楼(アニメーション脚本家)

    とても真摯で真面目な作品でした。描写として面倒なところから逃げず、起承転結もきっちり。オチも過不足なく。三角関係の一人が同性というのも楽しかったです。基本的なところはもう言うところがありません。あとは、絵なのかストーリーなのかキャラクターなのか、武器になるポイントを何か伸ばしていってくれればと思います。土台はできているので、これからどんな素材も載せられると思います。次作、楽しみにしています!

  • 芝村裕吏(ゲームデザイナー、小説家)

    若さと勢いだと感じた。若者が減っているんだから、こういうのが眩しく見えるんじゃなかろうか。勢いでどんどん書いていけばそのうち上手くなっていくもので、このページ数を上げてきたことをまずは褒めたい。荒削りでも何でもいいので他人の評価はいったん気にせず描き続けることができれば、一角の作家にはなれると思う。今のところの課題は計画性とメリハリかな。メリハリをもっとつけて描きたい場面を強くしよう。

  • 飯島直樹(株式会社KADOKAWA コミック第3統括部 第8編集部 コンテンツプロデューサー)

    「恋をしたことのない主人公が三角関係に巻き込まれ……」と、どこかで聞いたシチュエーションをがんばって自分なりのストーリーにしていこうとした点は好感が持てます。キャラクターの絵をがんばって描いていたり、コマ割りも見やすく作っているなど、しっかり漫画を描けていると思いました。ただ作者として一番見せたかったシーンや主人公の心の動きなど、まだまだ伸ばせるかなと思う点も見受けられたので、これからたくさん作品を作って学んでいってもらいたいと思います。

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