

第32回電撃大賞 入選作品
電撃小説大賞部門
メディアワークス文庫賞受賞作
雨、時々こんぺいとう
あらすじ
――明日、雨を降らせる。
高校生の梓が図書館で出会った旭は、雨を操り、動物と話すことが出来る不思議な力を持つ少年だった。
いつも雨に孤独を隠す彼と静かに寄り添う図書館での時間は、梓の心を温めていく。
それは、誰にも邪魔されない二人だけの世界――そう信じていた。
しかし、梓はあるうわさを耳にする。彼は殺人犯の息子だ、と。
クラス中の冷たい視線や囁き声。「もう会わない方がいい」という友人の忠告。
旭は梓を傷つけることを恐れ自ら距離を置こうとするが……。
「ねえ旭、明日も図書館に来るよね?」
そうして彼と交わした、たった一つの約束。
でも約束の夜――旭は姿を消した。
これは、切なくも美しい、奇跡の雨を信じる物語。
受賞者プロフィール
愛媛出身、大阪在住。寒いのと数学が苦手な理系で、本と動物と音楽が好きです。
夢は柴犬と猫を迎えてのんびり暮らすこと、ペンネームの由来は飼い犬の名前だったり。常にもふもふと共にありたい。
受賞者コメント
この度は身に余る賞を賜り、大変光栄です。選考に携わってくださった全ての皆様、そしていつも支えてくださる周りの方々に感謝申し上げます。
幾度も落選を経てきた私にとって、電撃大賞での受賞は雲の上へそびえるハードルでした。今でも信じられない思いと喜びが入り混じり、ふわふわしています。
空想の好きな子どもでした。そんな幼い自分が憧れた場所に立っている感動、書くことを楽しむ気持ちを忘れず、今後もより良いものを書き続けていけるよう精進してまいります。
選考委員選評
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メディアワークス文庫編集部
動物と話せ、雨を降らせることが出来る少年と、星が好きな少女の切ないラブストーリー。誰もが好きになってしまうような魅力的なヒーロー像と、じれったくも少しずつ心の距離を縮めていく等身大な二人の関係性。青春時代に誰もが憧れる胸がきゅんとする恋愛模様は、
少女小説や少女漫画が好きな方にはもちろん、年代とわず多くの方に愛されるに違いないと感じました。一見異質な能力が必然性をもって大きな感動に昇華していくラストは、そのシーンの美しさも相まって、ぜひ映像でも見たいと思いました。ラブストーリーの醍醐味が目いっぱい詰まった豊かな世界観に心を揺り動かされた、文句なしの受賞作です。







