第32回電撃大賞 入選作品
電撃小説大賞部門

電撃の新文芸賞受賞作

かいじゅうのむすめ

著/長月東葭

あらすじ

とある厳寒の地にある“北の大国”。
ある塔に幽閉されていた“西の小国”の王子・ジェラルドは、ヒトではない醜い姿をした“化け物”と出会う。
盲目がゆえに“それ”を恐れないジェラルドは、交流の末にそれを「ローアンナ」と呼び、“彼女”の美しい心を知っていく。
そうして、彼女とともに成長したジェラルドは、やがて塔を飛び出し、外の広大な世界へ冒険に踏み出す。
それは、世界の存亡をかけた冒険の始まりだった。
盲目の少年の成長。出会い。そして、別れ。それから──「かいじゅうのむすめ」。
彼女との「約束」をめぐる、壮大な冒険ファンタジー。

受賞者プロフィール

島根県出身、広島県在住。本屋さんのない町で生まれ育つ。成人して随分経ってからラノベの面白さを知り、その流れで公募勢に転身。
今回の受賞で、何かを始めるのに早いも遅いもないんだなぁと身を以て思い知りました。立ち止まろうが逃げようが、諦めさえしなければ人生何とかなるようです。

受賞者コメント

この度は第32回電撃小説大賞に選出いただいたこと、選考に関わってくださった全ての皆様に深くお礼申し上げます。
あまり本を読んできたほうでもなく、小説の書き方を特別勉強したわけでもなかった私が、それでも物語を書くようになったのは、憧れと気紛れ、そして背中を押してくれる友人に恵まれたという、偶然の結果にすぎません。けれど「物語には人の心を震わせる力がある」、「人間はきっと、感動するために生きているんだ」と思い至るには、そんな偶然だけで十分でした。物語を通じて、顔も知らない誰かの心に何かを届けることができるとしたら、こんなに素適なことはありません。今こうしてその機会に恵まれたことが只々嬉しいです。

選考委員選評

  • 電撃の新文芸編集部

    非力な少年少女たちが知恵と勇気を振り絞り冒険の旅に出る、王道のファンタジー。本作のヒロイン的立ち位置にいるローアンナは、見るもおぞましい姿をした異形の怪物。自分が何者かも分からないまま世界を彷徨う彼女はある時、幽閉された異国の王子ジェラルドと出会う。盲目のジェラルドはローアンナの外見に惑わされず、彼女の無垢な心の美しさに惹かれてゆく……。ひと度ページをめくれば読む人すべてに希望と感動を与える物語に強く心を動かされました。普遍的なテーマを内包しつつも、エンターテインメント・ノベルとして挑戦的な本作に新たな可能性を感じずにはいられません。本作に秘められた「本当の美しさ」を、ぜひ多くの読者にも感じていただきたいと思います。

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