第32回電撃大賞 入選作品
電撃小説大賞部門

銀賞受賞作

腹黒姫様と天然竜の旅行記

著/神代翁

あらすじ

大陸の西のほうの小さな王国で、ひどい日照りがありました。
小川は枯れ、農奴は倒れ、この暑さは神の怒りに違いないと誰もが囁きました。王様は解決のため、何千年も生きている竜に知恵を借りようと貢物を捧げることに決めます。
竜は処女の血を好むとか……あと、せっかく贈るなら高貴な血の方がいいよね? 戦争で滅ぼした国の王女にしとくべ。
――そんなこんなで私が来ました。亡国の王女シルビアです。物くれてやるから知恵寄越せ、蛇トカゲ」
「お前、何を言っとるんじゃ?」
竜は理性を保つために、人の魂を食う必要がある。亡国の王女シルビアはいつか魂を食われる代わりに、悪竜エキドナとともに美しいものを見て回る旅をすることになり……。
これは、共に滅びの運命を背負う、王女と竜の物語。

受賞者プロフィール

岩手県出身、関東在住。
飲む(紅茶)、打つ(キーボード)、買う(オタ活)の申し子。
書くことと食べることだけ、やめられなかった。

受賞者コメント

小学生の頃、従兄弟が私に貸したライトノベルがあまりに面白くて沼にハマってしまいました。
底がないようなので泳いでいたところ、栄えある賞をいただくまでになりました。誠にありがたいことです。選考に携わった方々、
これまで私の創作と共にあった方々に、厚く御礼申し上げます。
ちなみに、このコメントを書いている段階では、受賞の喜びはまだありません。
たぶん、刊行されて、誰かの感想をみたときに喜びが満ちるのではないかと思っております。
私が子供の頃そうであったように、誰かがこの物語を楽しんでくれたら、それに勝るものはありません。
それでは、また。

選考委員選評

  • 電撃文庫編集部

    悪竜の生贄にされた姫が、自暴自棄になり竜をしばいたら、なぜか気に入られてしまい……と、導入だけ見ればコミカルに見える本作。その実、手に汗握る大商人との頭脳戦や、人とともに生きていけない竜の悲哀、なによりも亡国の姫であるシルビアの誇りと責任の哲学が物語を通して貫かれている、非常に骨太な魅力あふれる作品でした。
    特に、キャラクター同士の掛け合いも含め、台詞の力強さが飛びぬけていた印象です。剣と魔法じゃない、金と知恵のハイファンタジー。こういうものを読みたかった!

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