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第30回電撃大賞 受賞作品
受賞作品

【応募総数:4,815作品】

イラスト/赤岸K 電撃文庫『錆喰いビスコ』(著/瘤久保慎司)  主催:株式会社KADOKAWA

第30回電撃大賞 受賞作品
受賞作品

【応募総数:4,815作品】

イラスト/赤岸K 電撃文庫『錆喰いビスコ』(著/瘤久保慎司)  主催:株式会社KADOKAWA

電撃小説大賞部門【応募総数:4,467作品】

大賞(正賞と副賞 300万円)

金賞(正賞と副賞 100万円)

メディアワークス文庫賞(正賞と副賞 100万円)

銀賞(正賞と副賞 50万円)

長山久竜

選考委員奨励賞(正賞と副賞 10万円)

畑リンタロウ

選考委員総評

三雲岳斗(作家)

今年の最終選考に残った作品はやけに完成度の高い作品が目立ち、個人的にも、歴代でもっとも多くの作品を大賞相当として推薦することになりました。その一方で選考委員の間での各作品への評価は大きく分かれて、選考にあたってはかなりの激論が交わされることになりました。特に昨今のライトノベル・ライト文芸というジャンルそのものへの問題提起や、作中における倫理の問題に触れるような議論があったのが強く印象に残っています。その甲斐があって最終的には、受賞作として自信を持って世に送り出せる作品を選ぶことができたと思います。受賞者の皆様、本当におめでとうございます。応募作を書き上げた際の熱意を忘れることなく、これからもたくさんの作品を書き続けてくださることを願っています。

Profile

作家。第5回電撃ゲーム小説大賞(現・電撃小説大賞)〈銀賞〉を受賞した『コールド・ゲヘナ』でデビュー。同時期に第1回日本SF新人賞、第5回スニーカー大賞〈特別賞〉も受賞。TVアニメ化された『アスラクライン』『ストライク・ザ・ブラッド』(ともに電撃文庫)をはじめ、多数の著作がある。

三上 延(作家)

どの作品もエンターテインメントとして高い水準に達しており、個人的には今年が一番悩ましい選考でした。今回惜しくも賞を逃した方も含めて、どなたもプロとしての必要な資質を十分に備えていらっしゃいます。エンターテインメントは読者の需要を意識することが不可欠なのですが、同時に仕事の姿勢であれ作品の内容であれ、自分にとって絶対に譲れないこと、許せないことを明確にしておくと、それがクリエイターの軸になると私は考えます。揺るがない軸を胸に、今後皆さんが長く活躍されることを心から祈っています。受賞者の皆様、誠におめでとうございます。

Profile

第8回電撃小説大賞の3次選考を通過した『ダーク・バイオレッツ』でデビュー。その後、メディアワークス文庫から刊行した『ビブリア古書堂の事件手帖』がシリーズ累計700万部を超えるベストセラーとなり、コミックや映画など様々な媒体でメディアミックスされている。

吉野弘幸(アニメーション脚本家)

私たち選考委員に届けられた本年の最終選考作品は、一昨年までと同じく再び10作品となり、その甲斐あってか、様々なバラエティーに富んだ作品に接することができました。少し懐かしい、80~90年代の雰囲気のある作品や、その一方で、なかなか選考に困るかなり尖った作品、またカクヨムからのweb小説のテイストが濃厚な作品など、どれも非常に楽しく読ませて貰いました。ただ、そのように傾向が豊富だった分、やはり選考は大荒れし、しかしその怪我の功名とでもいうのでしょうか、ここ数年なかった、大賞が二作品という結果を出すことができました。まだまだ、小説の多様性と未来は失われていない。そんなことを再確認できた選考となりました。

Profile

TVアニメ『GEAR戦士電童』で脚本家デビュー。以後『マクロスFrontier』『アクセル・ワールド』『とある魔術の禁書目録』『ストライク・ザ・ブラッド』等、数々の作品のシリーズ構成、脚本を担当。近作は劇場映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』

小原信治(放送作家・脚本家)

比較しようのないほど多様な10作品でした。多くの人に求められるものを書こうとすると既存のヒット作の影がつきまとうものになりがちですがアマチュアとして書ける機会でもあるからこそこうしたプレッシャーに縛られることなく自分にしか書けないものに挑んで欲しいという思いから「オリジナリティ」に。またAIが物語を紡ぐ時代において人間に勝る部分があるとすれば作者の経験と身体性が埋め込まれた表現ではないかと「身体性のある文章」に着目して読ませて頂きました。審査させて頂くのは今回で最後となりますが、人生のある時期を賭して執筆されたすべての応募作と書き手の皆さんに改めて敬意を表したいと思います。

Profile

放送作家・脚本家(株式会社オフィスクレッシェンド取締役)。「ゼロ一攫千金ゲーム」「金田一少年の事件簿」「GO GO HEAVEN 自決少女隊」(原作も)等のドラマ、アニメ「サムライチャンプルー」等の脚本や「福山雅治と荘口彰久の地底人ラジオ」等の構成を手掛ける。青葉薫名義でネットドラマ「CQ」、映画「種まく旅人シリーズ」(原案)などの作品も。

阿南浩志(電撃文庫編集長)

編集部内における4次までの選考、および担当編集としての立候補。そうしたイチ編集者として選考を長年続けてまいりましたが、この度は初めて編集長という立場で最終選考会に臨ませていただきました。今年は4次選考において最終選考作を10本に絞った段階で、「非常にレベルの高い作品が残り、どれが大賞を取るか予想できない」と編集部内でも話題になっていましたが、結果、最終選考会でも各作品への評価は分かれ、非常に白熱した議論が行われました。各選考委員によって作品への視点は様々でしたが、それぞれが評価した理由を確認し合う中で、最終的には全員が納得した結果として今回の受賞作を送り出させていただきます。受賞者の皆様、本当におめでとうございます。そして熱意と努力の結晶を電撃レーベルに預けていただきまして誠にありがとうございました。

Profile

2022年10月に電撃文庫編集長に就任。主な担当作は電撃文庫『とある魔術の禁書目録』『安達としまむら』『豚のレバーは加熱しろ』『恋は双子で割り切れない』『Fate/strange Fake』、電撃の新文芸『Unnamed Memory』など。

遠藤充香(メディアワークス文庫編集長)

第30回の節目となる今回も多くのご応募をいただき、2作品も大賞が選出されるという嬉しい選考となりました。メディアワークス文庫では7年ぶりの大賞に心躍らせています。今回の最終候補作はレベルの高い作品ばかりか、独創性のある作品が目立ち、日頃市場トレンドを観測している者として感銘を受けつつつ、小説賞の意義を振り返ることのできた選考会となりました。ここ数年、本賞の受賞作が世界に羽ばたいていく可能性を感じている今、おもしろければなんでもありの電撃小説大賞のスローガンのもと、更なる高みを目指せればと気が引き締まりました。今後の活躍への期待とともに、受賞された皆様おめでとうございました!

Profile

2021年1月にメディアワークス文庫編集長に就任。主な担当作は電撃文庫『ただ、それだけでよかったんです』、メディアワークス文庫『博多豚骨ラーメンズ』『君は月夜に光り輝く』『破滅の刑死者』など。

電撃イラスト大賞部門【応募総数:348作品】大賞:該当作なし

金賞(正賞と副賞 100万円)

銀賞(正賞と副賞 50万円)

選考委員奨励賞(正賞と副賞 10万円)

選考委員総評

いとうのいぢ(イラストレーター)

上手に描けていることは前提として、そこからその方の絵描きとしての特性を見抜き、賞を決めていくことが年々難しくなっています。その中でも今回は多様性のある作品ばかりで、まるで異種格闘技のような電撃イラスト大賞でした。また今回の最終選考通過作品を見た時、自分の好きなものを表現できている描き手が多い印象を受けました。さらに登りつめるためには、より総合力や描写力が必要な時代になってきたと思います。受賞されたみなさんは自信を持って、これからも楽しみながらイラストを描いていただきたいです。

Profile

電撃文庫『灼眼のシャナ』のイラストレーションを担当。同作品は3度のテレビアニメ化を果たすなど大ヒットとなった。大人気TVアニメやゲームのキャラクターデザインをはじめ、多彩な分野で活躍しており、2023年には氏の代表作を集めた展覧会「いとうのいぢ展 ぜんぶ!」が開催され、加古川観光大使に任命された。

abec(イラストレーター)

例年と比べてもハイレベルな作品ばかりでした。またライトノベル向けに限らない幅広い画風の作品もあり、評価の基準をどこに置くかで悩みましたが、一瞬の印象値を大きく評価させて頂きました。惜しくも大賞は出ませんでしたが、現実の商業シーンでは、求められるイラストの幅は広がり続けています。自分の強みを活かして、ライトノベルに限らずそれ以外のジャンルでも、魅力的なキャラクターや世界を描いて欲しいです。今後の飛躍を楽しみにしております。

Profile

電撃文庫『ソードアート・オンライン』『ソードアート・オンライン プログレッシブ』のイラストレーションを担当。同作品は4度のテレビアニメ化、さらには3度の劇場アニメ化を果たし、大ヒット記録を更新し続けている。2023年2月には3冊目の画集『ソードアート・オンライン abec画集 New World』を刊行。

loundraw(イラストレーター、作家)

前回までよりも技術的なレベルが上がっていて、作品を見れば何が好きでどういうことを伝えたいかがわかる方が多かったです。すぐにお仕事ができそうな方も多い印象でした。SNSが発達した今、自分が好きなものを表現することは、勇気がいると思いますので、賞に応募したみなさんにリスペクトがあります。ここ数年はイラストを見映えよくみせる技術が浸透した半面、それが最適化を進めているとも思います。スキルは大事ですが、いろんなものに触れ、自分が好きなものを見つけ、オンリーワンでいる努力を続けていただければと思います。

Profile

『君は月夜に光り輝く』のイラストレーションほか、『君の膵臓をたべたい』など多くの話題作の装画を担当。2019年1月アニメーションスタジオ《FLAT STUDIO》を設立。小説『イミテーションと極彩色のグレー』、漫画『あおぞらとくもりぞら』の執筆、音楽アート集団・CHRONICLEでの音楽活動など多岐にわたる。2021年11月公開初監督映画作品『サマーゴースト』が、「第25回ファンタジア国際映画祭」にて、アニメーションコンペティション部門 今敏賞・審査員特別賞」と「短編アニメーション部門 観客賞・金賞」を受賞した。

荒木人美(電撃の新文芸編集長)

いろいろな個性が集まった第30回イラスト大賞でした。それゆえに評価基準が難しい部分もありましたが、どの作品も、作者が楽しく描いていること、ご自身の『好き』を表現していることが伝わってきて、選考をしているこちらも楽しい気持ちにさせていただきました。きちんと「人に見せる」ということを意識して描いておられ、物語性を感じることができる作品が多かった印象です。ぜひ、今後もイラストを描き続けて、さらなる高みを目指していただけたら嬉しいです。一緒にお仕事ができることを楽しみにしています。

Profile

2022年10月より電撃の新文芸編集長。主な担当作は、電撃文庫『狼と香辛料』『はたらく魔王さま!』『青春ブタ野郎』シリーズ、メディアワークス文庫『探偵・日暮旅人』シリーズ、『絶対城先輩の妖怪学講座』『チョコレート・コンフュージョン』など。

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